第1章 4話 未来の話とお人好し


赤裸々に過去を語る少女その儚さと切なさに生きる意味をなくした少年ですらも同様してしまうような生の寂しさ。そんな複雑だが見逃すことの出来ない少女のとても短い過去を聞いた少年はこの時1つの決断をする。いやはやこの時の決断がまさかあんなに壮絶な旅の入り口をくぐった事だった事なんて、当たり前だが少年も僕も知らない。そもそも僕はこの事を後から聞いた事だからまだこの時の僕は廃れた村で走り回る一人のガキでしかなかったからね。まぁその話はこの次の章で話すとして、この時のその決断が世界の命運、人類の未来をかけた壮大な旅の入り口だと知っていたものは、彼女以外いなかった。しかしその彼女ですら、この旅の結末は知らなかった、この時は。

さて、未来の話をするのもここまでにしてそろそろ話をしよう。僕は本なんて物を書くのは初めてなので少し醜い所やあからさまに不穏なメタ発言なんてものもしてしまうかも知れないがそこは大目に見てほしい。この作品が始まって少したってしまったがここで謝罪をしておこう。

さてさていい加減話を元に戻そう。

少年は少女の過去を聞きある1つの決断をする。少年は人一倍正義感が強く、本来自分が得をするためにある『理由』という物を他人が幸せになる様に使う人間なのだ。だからこそ、少年は600年もの間罪の名を背負い、悪名の広まった自分と関わらせない為に少女を拒んだ。しかし、少女の過去を聞き、それではこの明るくも儚さに溢れた少女を幸せには出来ないと思ったのだろう。

はぁ・・こんな頃からこの人はお人好しだったのか・・全く手のかかる人だ・・

少年は立ち上がりおぼつかない言葉で少女に声をかける。見た目こそやる気のなさそうな見た目だが、その目にはしっかりとした決意が込められていた。

「ついて・・来い」

「どこに行くの?」

少女が不思議そうに首をかしげる。

「俺の家さ・・一人だけ過去を語られても釣り合いがねぇ・・俺のこともそこで話す」


「600年間罪の名を背をい続けた、悪名高い死神の話を・・」

少年は語る、この罪深き世界を

少年は選択する、この世界の未来を


ここまで読んでくれた君に少しだけ話をしよう。この選択を少年はこの後見事に正解する。しかし、仮にこの時にした選択が不正解だったら。世界が滅んでいた・・と言うことはない。グリはエルピスに世界を救えと言ったが、決してこの世界のが滅ぶわけではない。しかし、この世界の生き物のと言う物は一人を除き全て死に絶え、世界の大地からはあらゆるものが消え去り白紙の惑星になっていただろう。なんだって?それを世界が滅びたと言うのではないかだって?それは違うな、言っただろう。たった一人白紙の惑星に残された人物がいる。その人物には次の世界のビジョンを持ちその手の中には6つの神器がある。そしてその力を使い新たなる世界が紡がれる・・今まで生きてきた人達の思いを踏み台にして・・なんて事が起こっていただろう。

これから始まるのは新世界の王の選定、世界が白紙に戻るまでに神器を全て揃え次の世界の王になり、与えられた世界で理想郷を作る。そんな事がこれから行われようとしていたのだ。

まぁ結末を言ってしまうと、そんなことは起きなかった。この二人を加えたこれから出てくる様々な英雄の手によってね。

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