人を超える時

@shiratamaazuki

99人目はあなた

ボクの名前は間宮 進、大学二年生だ。

二年程前からネットである都市伝説が話題だ。その内容は人間を99人殺すと人間を超えた存在へと生まれ変わる。幾つか細かいルールもあるらしい、参加者は今まで殺した人数が頭の上にカウントされて見える、1日に何人殺してもカウントは1しか増えない、カウントを持っている人間を殺すとそのカウントを自分のカウントに足す。まぁボクには…。


「ゴメン、進君。待ち合わせ遅れちゃって。」小走りにやって来たのは春らしいワンピースを着た、高月 晴香。ボクの彼女だ。

「いや俺もついさっき来た所だよ。」ボクはそう返す。今日は遊園地に行ってその後は夜景の綺麗な所で食事の予定だ。


夕方まで遊園地で楽しみ食事をした後、彼女を家に送る途中、公園に立ち寄った。今日こそここで…。

その時ふと右腕に痛みを感じた、見ると腕から血が出ている。「えっ…。」いつの間にか晴香が2、3歩先を歩いている、その左手にはナイフが鈍く光っている。そこからボクの血がポタポタと垂れている。

「なんでだ……。」やっと声を絞りだした。晴香が街灯の下に来た時、彼女の顔が見えた。晴香は満面の笑みを浮かべていた。

「なんでって。進君ネット見ないの。私、後一人で人を超えれるのよ!その糧になれるのが嬉しくないの?」彼女の話を聞き終わる前にボクは走り始めた。「そっか、おいかけっこがしたいのね。じゃあ5秒数えてあげるね~、5~、4~…。」

急がなきゃ殺される、止まる訳には…。

廃工場…、ここに入ろう。


「0!さぁ行くわよ。って言っても血のあとでどこに行ったかはすぐに分かるけどね。」

彼女はすぐに廃工場を見つけ中に入って来た。

「あら?二階に向かったのね。今行くわよ~。」彼女の声が近づいてくる、チャンスは一瞬だ。彼女が二階に来た瞬間ボクはおもいっきり体当たりをした。


その後警察がやってきた。

「じゃあ君はここに逃げこんで彼女に体当たりをした、彼女は持っていたナイフを落とし、もみ合ううちに、彼女の喉を貫いたんだね。」警官が聞く。ボクは黙って頷く。

「わかった、状況てきにもそれをものがたっている。今、救急車がくるから。」警官が戻ったあと、ボクは呟いた、「……今まで付き合ってくれてありがとう、


       これでぼくは人を超えた。」今、ボクの上には99カウント貯まった。「ふっふふふふふ。」ボクは声を抑えて笑った。

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