第258話


《――ああ。ようやく、この日が来ましたか》



「――――――――」



 カイリの口が薄く笑った途端、ケントの目が絶望に染まる。

 それを見た瞬間、カイリの頭に焼け焦げるほどの熱が集まるのを感じ取った。ケント、とカイリは声も無く叫ぶ。

 なのに、口は勝手にカイリの意思を無視して、彼の名ではなく言葉を紡いでいく。


《やはり、思った通りです。この体はとても心地良いですね。私によく馴染む》

「……あ……」

《流石は、神のための生贄よりしろ。……餌集めのための教皇とは訳が違う》

「……っ、……な、んで。ここ、に」


 ケントの顔に、いつもの不敵な笑みも真っ黒な表情も見当たらない。

 ただただ困惑と拒絶を色濃く宿して、ケントがカイリを凝視し。

 ぽろっと、零れる様に言葉が落ちた。



「……フュリーシア」

「――――――――」



 その名に、カイリだけではなく、フランツ達の目の色も変わる。がたっと、一斉に立ち上がって素早く武器を手にした。

 だが、そこまでだ。

 カイリが、カイリの意思ではなく、とんとんと人差し指で首元を愉快そうに叩く。本気で楽しそうに笑う顔は、見えないのにひどく歪んでいるとカイリは思い知らされた。フランツ達が目に見えて歯噛みするのを、暗澹あんたんたる思いで見届ける。


《久しぶり……ではありませんね。ケントとは、教会の最上階以来でしょうか》

「そう、だね」

《ああ、見て下さい、ケント。貴方のおかげで、ようやくこの者が手に入りました。……『柱』を失ってくれていたことも本当に助かりましたよ。これで――》

「……フュリーシア。……どうして、カイリを乗っ取ったの?」

《? どうして?》


 即座に返すカイリの声は、自分でも聞いたことの無い様な酷薄さが充満していた。

 己の声だなんて思いたくない。フランツ達が愕然がくぜんとした様に顔から表情が抜け落ちていくのを、何も出来ずにカイリは薄く閉じ込められた様な内部から見つめ続ける。


 やめろ。やめてくれ。


 願うのに、カイリの体を支配する『神』とやらは、そのカイリごと嘲笑う様に片眉を跳ね上げる。

 神話に出てくる様な、崇め奉られる神ではない。

 本気で人を人とも思っていない。ただの塵芥ちりあくただと言わんが如く、ひたすらに全てを見下していた。



《どうして、とは。今更ですね。これは予定調和でしょう?》

「え……」

《だってこの者は、私のものになるためだけに転生してきたのだから》

「――――――――」



 さも当然の様に、カイリを模した『神』は胸に手を当てて漫然と微笑む。

 ケントの顔から今度こそ全ての表情が落ちる。

 いや、落ちるなんてものではない。最後にちらついていた希望さえも握り潰された様に、カイリを通した『神』を凝視した。


「……、は……。待って」

《むしろ、遅すぎましたよ。本来なら、もうとっくに私のものになっていたはずなのですから。自我を失うのも遅すぎでしたし》

「……自我……」

《私は私の願いのために、長い時をかけてずっとこの者を探し続けていました。そして、ようやく見つけたのです。……この世界にんだのも、この私》

「……っ」

《最初から、この者は私のものだった。……ケントには、そう説明しましたよね?》

「――っ」


 にっこりと柔らかく笑う己の顔が、カイリにはひどく気味が悪かった。全てを許す如き慈愛を装っているのに、その実見下す様な感覚が、カイリの体中に広がっていったからだ。

 それが、ケントにも伝わったのだろう。かっと、発作を起こした様に掴みかかってくる。


「フュリーシア……っ!」

《いっ、……ケントっ》

「――っ」


 カイリの口から、カイリらしい声音と口調が吐き出される。

 ケントが一瞬怯んだ。俺じゃない、とカイリが必死に声なく叫ぶのに、彼は一瞬でも怯んでしまった。

 だから。



《――ははっ》

「――っ!」

「カイリ! ……っ」



 ぐいっと、カイリの手を使って、『神』がケントの髪を掴んで上向かせた。フランツが動こうとしたが、すぐに悔しそうに止まる。――カイリの顔が、意味ありげに微笑んだからだ。

 ぐっと、ケントが苦しそうにうめくのを、カイリの中の存在がおかしそうに笑う。


《ああ、人とは本当に愚かですね。この程度で惑わされるなんて》

「っ、……。……だって、その体はカイリのものだから。……僕がカイリを好きなのは知っているでしょ?」

《ええ。なのに今、掴みかかったのは何故です?》

「……。フュリーシアが、約束を守らないからだよ」

《約束? ああ、この者を貴方のものにしたまま私の願いを叶えてくれる、という話でしたか》

「それだけじゃない。……最初の契約、忘れたとは言わないよね?」


 鋭く睨み上げてくるケントに、『神』は冷めた瞳で彼を見つめ返す。

 しかし、カイリの体の中は微かに揺らいでいた。カイリが知らない何かが二人の間にはあるのだと、嫌でも知らしめてくる。


《……忘れてはいませんよ。……ですが、これはこの者が勝手に自滅しただけでしょう?》

「じ……」

《だって、そうでしょう。彼が今世よりも強く前世を願い、思った。今世などどうでも良いと思ってしまった。だから、こうなったのです》

「――」

《そう。彼は、前世に強い強い未練と後悔を抱いていた。この世界で生きていても、何度も何度も悪夢に見るほどに。それはもう滑稽なほど、彼は前世のことを引きずっていましたね》

「……それは……っ」

《彼は本当にとしても、とても優秀でしたよ。ええ。……本当、これ以上私に都合の良い道具は無い》


 にやりと、口元が不気味に歪むのが分かる。カイリが絶対しない様なさげすみが顔中に広がっていくのが、嫌でも感じられた。

 フランツ達が信じられないものを見る目で見上げてくる。それが分かるのに、苦しいのに、カイリは首を振るどころか、己の意思で声を発することも出来ない。


《大体、貴方が言ったのですよ?》

「……え?」

《自分を餌にすれば、必ずこの者は追いかけてくる。絶対に転生してくるって。邪魔が入って困っていた時、そう進言してくれたのは貴方でしょう?》

「っ⁉ フュ……っ!」

《この者と共にいられる限り、役立つため、私の下僕になる。……だから、貴方とも契約して転生させてあげたのに》

「――っ!」


 ケントが悲鳴を上げる様に声を失う。フランツ達が驚いて、刺す様にケントを見やった。『神』の暴露に、カイリの頭も衝撃で真っ白になる。

 分からないことだらけなのに、情報量も多すぎて整理しきれない。

 下僕。餌。進言。

 一体何の話だ。ケントが、カイリの転生を仕組んだとでも言うのか。

 けれど。






〝だから、――にしたって良いんだ!〟






 頭が、痛い。

 カイリの体は支配されているはずなのに、閉じ込められている己の頭がひどく痛かった。割れる様に、記憶が声を上げて叫び続ける。

 一体、カイリは何を忘れている。

 この会話だけが真実だとは到底思えない。だって、カイリの心が、ふたをした底から絶えず、しっかりしろと殴り続けてくる。



〝カイリの――は、カイリの―――よ〟



 顔が見えない。記憶の闇がたゆたう向こうに、確かに笑って人が立っているのに。

 だが、あれは。



〝だから。――――、カイリ〟



 あれは――っ。



「でも、……契約のルートは二通りあったよね?」


 ケントが拳を握り締め、冷静に語り掛けてくる。先程から爆発しそうな激情を抑え、きちんと言葉を選んでいるのが伝わってくる様だ。

 一瞬『神』がぴくりと目の端で反応したのが分かった。痛いところを突かれたのではないかとカイリは直感する。


「僕はちゃんと覚えている。転生の時のことを」

《……ええ。この間も言っていましたね》

「だったら、フュリーシアだって覚えているはずだ。それに」

《ですから、片方のルートへ進んだだけでしょう?》

「――」


 ケントの言葉をぶった切り、希望を握り潰す様にカイリの顔がせせら笑う。ぎゅっと、ケントの眉根が寄るのを目にして、カイリはひどく息苦しくなった。


《……。あの時の『あいつ』の邪魔も業腹でしたが。何故、今度は貴方が邪魔をするのです。別に、この体が無くなるわけではないのですから、喜んでは?》

「……フュリーシア。わざと言ってる?」

《いいえ? 私は昔も今も、貴方には感謝しているのですよ》


 そっとケントの頬に触れる手の仕草はとても柔らかく、慈しみに溢れている様にさえ映った。

 けれど、カイリには分かる。この手を動かしている存在は、ケントのことを駒以下に見下していると。

 吐き気がする。やめろと叫ぶのに、カイリに覆い被さる存在はそれすらもせせら笑う様にケントに好きに触れた。


《貴方を転生させたことは正解でした。これからも役に立ってもらいたいものです》

「……。……、だったら」


 ぎゅっと、ケントが触れてきたカイリの手を右手で掴む。ぎしっと、主導権を奪われたはずのカイリにまで微かな痛みが走った。



「――浮気は許さないよ? フュリーシア」

《――――――――》



 不敵に微笑み、ケントが宣言する。

 周囲がひどく動揺した様に揺れた。カイリも体の中で大いに飛び跳ねる。

 一体何を言い出したのか。そう問い質したいのに、カイリの口はいくら念じても虚しく半開きになったままだ。


「知ってるよね? 僕は独占欲が強いって」

《……ええ。ですが、浮気とは》

「僕はカイリが好きだ。カイリの一番の親友は僕でありたい。……それと同時に、フュリーシア。君と先に契約したのは僕だ。カイリよりも先に、君は僕を選んでくれたんだよ? 一番だ。そのことも同じくらい大切なことなんだ」

《……》

「それなのに、僕との契約内容はほったらかし? カイリばっかり構って、忠実な『シモベ』の僕にご褒美をくれないとか。酷いんじゃない?」


 ねえ、と可愛らしく笑って、ケントが小首を傾げる。

 だが、その笑みは全く笑ってはいなかった。どす黒い炎が燃え盛る様に『神』を刺し貫いていく。――体の中にいるカイリには堪ったものではない。

 しかし、『神』は流石と言うべきか。涼しい顔で溜息を吐いただけで終わった。


《……そうですね。よく知っていますよ》

「でしょ?」

《ええ》


 そうして、ぐっと『神』はカイリの顔を思い切りケントに近付け。



《……貴方が前世で、どれだけこの者を傷付けてきたのか。私は、よーく知っていますよ?》

「――」



 慈愛に満ちた眼差しのまま、『神』はケントの鼻先で吐息の様にささやく。

 途端、ケントの表情がわずかにぶれた。ぎっと、空気が怯える様にきしんだのが手に取る様に伝わってくる。

 周囲には聞こえなかっただろう。わざとケントにだけ聞こえる様に伝えたのだ。

 それが分かって、カイリは焦燥のあまり頭に血が上っていく。――ケントが傷付いている。よりによって、好き勝手にされているカイリの声で。その事実が、堪らなく辛くて悔しかった。


《ケント。神は絶対。人は神のしもべです。貴方はそれを分かっていて契約したのでしょう?》

「……」

《だったら、主導権は常に私にある。……ようやくこの者が手に入り、『邪神』を押さえ付ける術を手に入れたのです》

「……、邪神。この前も、言っていたね」

《ええ。――『邪神』が望むものは、既にここに在るのですから。本当に長かった……》


 とん、とカイリの胸を静やかに手の平が押さえてくる。まるで、今動けないカイリに向かって嘲る様に指を指された気がした。

 ケントが目の前で、睨み付けながら息を微かに乱す。はっと、短く吐き出される吐息が震えていた。

 冷静を装ってはいるが、いつもの余裕が見当たらない。そうさせているのがカイリ自身だと思うと、悔しくて叫び出したい。

 ケント、と何とか呼びかけようと試みたが、やはり己の体はまるで言うことを聞いてくれなかった。それどころか、カイリの意思に反して彼の頬をゆっくりと馬鹿にする様に撫でていく。


《貴方は、本当にこの者のことが大好きですね。彼の意思は、もうここにはないのに》

「――っ」

《仕組みとしては教皇と同じですよ。……私のものになった時点で、この者の自我は消える。だから》

「……いいやっ」


 カイリは、と。一度彼は口の中で強く呟き、やがて微笑む。

 無理矢理にでも、強気に見せている。そう分かるのに尚、ケントはひどく勝ち誇った笑みを浮かべていた。



「最初にも言ったはずだよ、フュリーシア。……カイリはね。君が考えているよりもずっと厄介で、――しぶといって」

《――》



 ケントがもう一度、カイリの手を握る。

 今度は先程よりも強く、熱をぶつけてくる如く真っ直ぐに握り締めてきた。


 信じている、と。


 そう熾烈しれつに訴えてくる視線に、カイリの心がほのかに灯っていく。自分も彼の手を握り締めたいと、懸命にもがき始めた。

 ケント、と。相変わらず口が動かないけど、必死に叫んだ。伝わって欲しいと、全力で叫び続ける。


「転生の時で証明したはずだったんだけどね。……だから、僕を一緒に転生させたんじゃなかったっけ?」

《……》

「賭けはまだ終わっていない。それに、僕は契約内容を覚えている。……これは、君にとっては妥協した結果でしかないってね」

《――っ》


 一瞬。

 ほんの一瞬、カイリの中の『神』の気配がぶれた。それだけで、ケントが核心を突いたのが伝わってくる。

 その隙を見逃さなかったケントは、やっぱり、としたり顔で笑いかけてきた。


「図星でしょ。……だって、この状態は、君にとってはきっと」

《いいえ。――終わりですよ》


 ケントの言葉をまたも遮り、カイリを通して『神』は優しく微笑む。

 そして、にっこり、まるで聖人の如く笑ったまま。



《人間風情が。神に、口答えをしないで下さい》

「――っ!」



 ごっ! と。ケントの頭を鷲掴わしづかみにしてテーブルに叩きつけた。あぐっと、痛そうな悲鳴に、カイリの中で何かがぶち切れる。

 しかし、それだけでは終わらない。鷲掴みにしたまま、『神』はケントの頭を再び強引に持ち上げた。

 ケントは抵抗しようとしたが、すぐに拳を握って中途半端な場所で固まる。まるで攻撃しない様に必死に耐える姿に、『神』が歪んだ笑いを吐き捨てた。


《ああ、本当に……貴方は生意気だっ》

「っ、生意気だって、最初から知ってた、でしょっ」

《ええ。ですが更に拍車をかけましたね。……それでも、契約の時より遥かに大人しい。そんなに『この顔』が好きですかっ!》

「は、……っ!」


 更にケントの頭を持ち上げ、首にまで手をかける。

 まだ軽く掴んでいるだけだが、カイリの手の平には確実に彼の熱が伝わってきた。どくん、どくん、と脈を打つ生命の音を強く感じ取り、カイリは上がらない悲鳴をほとばしらせて抵抗する。

 それでも、カイリの体は少しも言うことを聞いてくれない。それどころか、少しずつ――少しずつ、ケントの首を絞めていく。



 ――っ! やめろっ!



 腹の底から絶叫するのに、手は全く止まらない。声も思いも届かない現状に、カイリは子供の様に首を振るしかなかった。

 フランツ達が隙を窺っているが、見当たらないのはカイリ自身が一番よく分かる。下手に動けば、カイリの手でケントは余計に傷付けられるからだ。

 その状況が作られてしまったことが、カイリ自身腹立たしい。ばんっと、見えない壁を必死に叩くのに、壊せない苛立ちが山の様に募っていく。


「フュリ……、……図星、突かれて、そんな、に、腹が、立つ?」

《ああ、……本当に生意気ですよっ。大人しく命令を聞いていれば良かったものを!》

「言った、じゃない。……カイリと、一緒に、ならっ」

《ならば、この顔と体で大人しくさせるまでですよ》

「が、……あっ!」


 ぐうっと、更に首を締め上げるカイリの手を、しかしケントは抵抗せずに受け入れる。震える手をカイリの手に添えるが、それだけだ。自分の首から引きがそうとはしない。

 どうして、どうして、とカイリは閉じ込められた様な内部から必死に両手を叩き付けて訴えた。

 頼むから抵抗してくれ。カイリの顔を殴ってでも止めてくれ。されるがままにならないでくれ。

 このままでは、ケントが。


 ――嫌だっ。


 ケントの顔がだんだんと紙切れの様に白くなっていく。ひゅっと、嫌な音がケントの口から漏れるのを耳にして、焦燥が一層酷くなっていく。

 がむしゃらに抵抗しようとするが、依然として体は全く命令を聞いてはくれない。せせら笑う様に、嬉々としてカイリの手はケントを残酷にもてあそんでいく。


 嫌だ。ケントを、よりによって己の手で危機にさらすなど。


 今まで数えきれないほど助け、支えてくれたケントを、あだで返す様に傷付けてしまっているなど到底許せない。

 それなのに、どうして体は言うことを聞いてくれない。どうして、大切な人を壊そうとするのだ。


 ――嫌だっ。やめてっ。


 体の芯が熱くなる。それなのに、頭の中は反比例する様に絶望で冷え切っていった。

 嫌だ。お願い。


《どうです? 貴方の大好きな人の手で逝けるのは。幸せですか?》

「――っ、……僕、はっ」


 ――お願い。


 誰か。止めて。ケントを助けて。

 父の時の様に。

 母の時の様に。

 友人の時の様に。

 村の時の様に。



〝――カイリっ‼〟



 前世の、時の様に。



 大切な人を、奪わないで。殺さないで。



 ――俺に、殺させないで。



 お願い。

 誰か。



《本当に、貴方はどこまでも愚かで……だからこそ、使い勝手がある》

「……っ、は、は。どう、も? ――っ」

《もし命を助けて欲しいのなら、これからも私の忠実な駒になることです。そうすれば、……七夕とやらの様に、一年に一度くらいは――》

「――はいはい。そこまで」



 ――助けてっ。



 ぱんぱん、と気が抜ける様な音が空気を割った直後。



 カイリの手の平から、ぱっと熱が抜け落ちた。同時に、ごほごほっと少し離れた場所からケントがせる音が聞こえてくる。

 呆然と視線を移せば、そこにはクリスが首を押さえてうずくまるケントを抱き抱えていた。よしよしと彼の頭を撫でて、クリスがにっこりと――うっすらとカイリ越しに『神』を見上げる。



「まったく。神様は、本当に部下を大事にしないね。だから、人間如きに反旗をひるがえされちゃうんだよ?」

《――》



 ね、とクリスが綺麗にウィンクして挑発した瞬間。

 今までそれなりに余裕を保っていた『神』の内部が、初めて乱れた。


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