第2話 いつかどこかで・・・
「鈴木さん、目が慣れてきたみたいだ・・・」
「よかった・・・」
「で、ここはどこ?」
「洞窟なのは、わかるよね?」
「うん」
「でも、空気は来てるでしょ?」
「うん」
「だとしたら、外につながっているはずだから・・・」
空気は大丈夫・・・
でも、問題があった・・・
「鈴木さんは、水と食料は大丈夫?」
「ううん、もうつきた・・・有田くんは?」
「こっちも、つきた」
「後、3日ね・・・」
そう、後3日のうちにここを出ないと、あの世行きだ・・・
「鈴木さん、こっちとそっちは繋がってないの?」
「うん、探してみたけど、繋がっていないみたい・・・」
「そっか・・・」
「会いたいの?私に・・・」
いたずらっぽく、聞えた・・・
「そうじゃないけど・・・」
「けど・・・」
「わかった事があるよ・・・鈴木さん・・・」
「何?」
「孤独は寂しいね」
「うん」
人はわずわらしいと思っていた。
でも、いざ1人になると、人のぬくもりが欲しくなる・・・
我ながらわがままだと思う・・・
鈴木さんとは、その後もいろいろと話した。
自分の事、環境の事、友達の事など・・・
直接会うことはできない・・・
でも、こうして話をしていると、寂しさを忘れる事が出来る。
それで、よかった・・・
でも、つにに力尽きてしまった・・・
もう、話元気も、歩く元気もなかった・・・
ここが死に場所か・・・
それでもいいと思った・・・
鈴木さんは、僕を励まし続けてくれている。
いざとなれば、女の方が強いかもしれない・・・
それから程なくして、僕は救助された・・・
洞窟の中で、ぐったりしているのを発見された・・・
もう少し、遅ければ危なかったようだ・・・
落ちついた頃に、いろいろと質問をされた・・・
そして、訊いてみた・・・
鈴木啓子さんの事を・・・
どうやら、彼女も救出されたようだ・・・
それっきり、彼女とは会っていない。
顔も知らないので、会ってもわからない・・・
でも思う・・・
いつか会えると・・・
その時は言おう・・・
「ありがとう」と・・・
暗闇の中で・・・ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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