第20話約束が違うだろ!

宇宙船は何回もぐるぐると街の周りを回って謎の子供を探していた。もうそろそろ夜になるというのにまだ見つからないのか。俺はため息を吐いて自分の部屋から外を見るがまだ見つかってないみたいだ。その時、宇宙船から赤い光が見えてすごい速さで街に落ちた。街は火の海になって俺は慌ててお母さんの手を握って外に出て近所のみんなを集める。俺はゲートを出してひとまず新しい地球へと避難してもらうとしよう。俺はゲートに歩いて行く近所の人の中にまだ、前田春香がいない事に気づいた。約束など守られるはずもない事は知っていた。早く前田春香達が来るのを待つ。他の友達は来たというのになぜ来ないのだろうか。前田春香が走って俺の方に来る。

「ごめんね。遅くなっちゃって。」

「ひとまず避難するぞ。」

俺は前田春香の右手を握って走ってゲートの中に入る。これで避難は完了しただろうか。俺は後ろを見て大体の人がいるがまだ、いない人がいる事に気づいた。

「前田春香、一緒に来てくれないか。」

「えっ⁉︎」

俺は前田春香の右手を握ったままゲートから出て街の様子を屋根の上から見る。逃げ惑う人達は混乱した状態でどこに逃げたら良いか分からないのである。俺には天使の能力を使う事は出来ない。前田春香は黄色いオーラに包まれて天使の能力を使う。

「私が逃げ遅れた人達を連れて来るから誘導してね。」

俺は頷いてゲートの前で前田春香が逃げ遅れた人達を連れて来るのを待つ。菜生桜と学校の友達が出て来た。

「どうして出て来たんだ。」

男子達が俺の周りに集まって来て、男子達は黒いオーラに包まれて悪魔の能力を使う。俺はみんなが悪魔の能力を使える事を初めて知った。女子達は黄色いオーラに包まれて天使の能力を使う。まさかこんな事があって良いのだろうか。みんなは空を飛んで逃げ遅れた人達を探し出した。俺はただみんなが連れて来た逃げ遅れた人達を誘導してゲートに入れる事だった。次々と逃げ遅れた人達を連れて来る男子達と女子達。避難が完了して俺はゲートを閉じてみんなとこの戦いを終わらせる事にした。女子が十五人、男子二十五人もしかしたら勝てるかもしれない。その考えは甘く宇宙船から次々と敵が街へ降りて来て歩いて来る。海からも敵が現れ約千人以上はいるだろう。

「約束が違うだろ!」

大声で叫ぶ男子達だったがそんなのを無視して歩いて来る敵達。俺達に勝てるのかは分からないけどやるしかない。勝てるとすれば前田春香が使えるバースト恐意がみんなが使えるようになったら勝てるかもしれないがこの短期間でマスター出来るほど優しいものではない。前田春香は俺達の前に立ってバースト恐意を使って走って行った。敵は街の建物に吹き飛んで前田春香は敵を追いかけて攻撃する。バースト恐意がこんなに怖いものだとは思わなかった。前田春香のバースト恐意を使える時間にかかっている。敵が俺達の方に歩いて来る。俺達は空高く飛んで紫色の粒と黄色い粒を敵目掛けて飛ばす。敵は減るどころか増えている気がする。前田春香は一人の敵に苦戦していた。

「さぁ、僕は今どこにいるかな?」

黒髪の男は前田春香の方を見る。前田春香は周りを見回して攻撃をする。

「残念、こっちでした。」

前田春香のお腹を力一杯殴って前田春香は近くの家の方に吹き飛んだ。黒髪の男は前田春香の足を掴んで隣の家の方に蹴飛ばす。美少女の前田春香に容赦ないのは俺としては最低と言いたい。前田春香は口から血が出てるがどうして美少女の可愛い顔は崩れないのだろうか。可愛い子には口から血が出ていても可愛い。前田春香はバースト恐意のパワーを上げて黒髪の男の方に飛んで行く。黒髪の男は前田春香の攻撃を避け続ける。俺達は空で敵と戦うがこのままでは敵が多くて負けてしまう。目の前で爆発する敵の宇宙船。俺は辺りを見回すと俺の父をリーダーとする部隊が到着する。しかし、父をリーダーとする部隊でも多分人数的には敵の方が多い。急にゲートが開いて街の人達が出て来た。

「この街は私達の住む街なんだからみんなで戦いましょう。」

せっかく俺達が避難をさせたというのにどうして出て来てしまうんだろうな。この戦いが最後の一年間はのんびり過ごしたいな。俺達は心の中で誰もが思って攻撃し続ける。生きて帰って本当の気持ちを伝えなければいけない。敵は弓を持って矢を俺達に飛ばす。俺達は矢を避けるが矢に当たって落ちて行く男子がいた。今の俺達では勝てないかもしれない。前田春香はすごい速さで黒髪の男を攻撃すると黒髪の男は避けきれず前田春香の攻撃が当たる。前田春香は黒髪の男を近くの家の方に吹き飛ばす。ゆっくり黒髪の男の方に歩いて行く。どんどんバースト恐意のパワーが上がっている気がする。あとは天使の能力と一緒に使えれば勝てるかもしれないが本当にそんな事が出来るのかは分からないが前田春香の体から赤いオーラが燃え上がっている。

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天使と悪魔の子 @SimamuraYosimi

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