第19話突然の変化

俺はゆっくり目を開けるとそこは俺の部屋の天井じゃなかった。昨日、前田春香の家に泊まった事を忘れていた。あの謎の子供は一体どうなったのだろうか。俺は隣で寝ている前田春香を見て余り笑わない俺が少し笑う。俺は布団から出て時計を見ると十時過ぎだった。いつも何時くらいまで寝ているのだろう。俺は寝ている前田春香を起こそうと思ったがせっかくゆっくり寝ているのに起こしたら嫌だろうな。だって俺だってぐっすり寝ている時に起こされるのは嫌だ。俺はこのまま前田春香を寝かせておく事にした。しかしそれは後で後悔する事になったのである。理由は簡単だった。俺は前田春香を起こさない方が良いと思っていたのだが前田春香はその真逆だったのである。

「もう。小山君が起こしてくれると思ったに〜。」

なんて言う可愛く頭のいい子なのだろうか。これを本当の美少女と言うのだと俺は思う。頭がいい悪いじゃなく外見と優しささえあれば美少女と言ってもいいだろう。そういえばあの謎の子供はどうなったか少し気になる。俺は自分で崖の下に投げた場所まで歩いて行く。やはり謎の子供は溺れて死んだのだろうか。崖の下の海の水には何もない。赤ん坊にして歩けるはずがない。だとすれば誰かが連れて行ったのだろうか。右の方に一つの小屋がある。もしかしたらあそこの小屋の誰かが拾ったのだろうか。俺と前田春香は右の方にある小屋まで歩いて行く。俺は右手で小屋のドアをノックする。中からおじいさんが一人出てきた。おじいさんは子供を連れて出て来た。俺は目の前にいる子供が謎の子供で間違えなさそうだ。

「おじいさん、その子供をこっちに渡してくれませんか?」

それにしては前よりも背が高くなった気がする。すぐに成長する子供なのだろうか。俺は短刀を持って子供を殺そうとする。しかし謎の子供は短刀を受け止める。

「そんなに僕が憎いですか?」

謎の子供は俺のお腹を思いっきり殴って森の中に吹き飛ばされる。謎の子供は俺の方にゆっくり歩いて来る。前田春香は謎の子供の後を走って行く。これが昨日まで赤ん坊だった奴の力だと言うのか。俺は立ち上がって短刀を持って謎の子供の方に走って行く。俺に勝ち目があるのだろうか。悪魔の力を使っていないからとはいえども力の差は大きい。地面が急に揺れ出して俺と謎の子供は海に落ちて行った。俺はその時、赤いオーラをまとった前田春香が立っていた。前田春香は謎の子供の方に飛んで来て謎の子供の右手を掴んで大きな岩に投げる。俺は黒いオーラに包まれて悪魔へと変身して空高く飛び上がる。謎の子供は立ち上がって前田春香の方をじっと見る。これは俺は見た事があった。母親を殺した奴と同じ能力。これが多分一番強い能力だろう。その名はバースト恐意、力や素早さをあげる技。この技には弱点がなく、この力と天使の能力を両方使えるようになって初めて化け物と言える最強の戦士が誕生する。しかし、この謎の子供を倒して世界は救われるのだろうか。俺には不安はあったがどんどん攻撃する前田春香。前田春香がトドメをさそうとした時、謎の子供の顔の前でピタッと止まった。前田春香は涙を流して謎の子供を見ていた。

「ごめんね…。私…。」

謎の子供は前田春香の右手を掴んで海に入って行った。海底へ落ちて行く前田春香と謎の子供。俺は初めて足が震えて動けなかった。

【このままじゃぁ私の息が。】

前田春香の息が続くとして残り一、二分くらいだろう。早く助けに行きたいのに足が震えて動かない。前田春香は謎の子供に掴まれた右手を振り解きたいのに思った以上に力が強くて離れない。バースト恐意のパワーを上げればもしかしたら離れるかもしれない。前田春香はバースト恐意のパワーを上げて謎の子供の手を振り解いて急いで上に泳いで行く。「ぷはぁ。はぁ、はぁ。」

前田春香は水から上がって耳の中に入った水を抜く。水面を見ると謎の子供が後から上がって来た。流石に俺と前田春香で勝てるほど弱くはないはず。もうそろそろ日が沈む。このまま戦ってても決着はつかないだろう。俺は前田春香の右手を掴んで紫色の羽を大きく広げて空高く飛んで一旦逃げる。前田春香の体から燃え上がる赤いオーラを俺は見て凄い強さを感じた。

「小山君どうして…。」

もしもあのまま続けていても多分、負けていたかもしれない。未完成のバースト恐意では勝てない。しかし、なぜ謎の子供は俺達を追って来ないかは分からなかった。前田春香の体から燃え上がる赤いオーラが消えて前田春香は寝てしまった。俺にしては俺より前田春香が頑張った気がする。主人公でも恐怖とかを感じるんだと俺は心の中で思った。とにかく前田春香の家に行かなきゃ。俺は急いで前田春香の家に行って前田春香のお母さんに事情を説明して俺は自分の家に帰る。俺は自分のベッドで横になって時計を見る。時刻は六時半でまだ、夜遅いわけではない。この後、ご飯を食べてからお風呂に入らなきゃいけない。俺達の生活は大体が同じような事を過ぎて行った。ただ一つ違う事が今日起きた。それは空に大きな宇宙船が多く浮いている事。この宇宙船は俺達の敵の宇宙船であの謎の子供を探しに来たのだ。しかしこの街などには攻撃をしないという約束した後なのでこの街を壊したりはしないだろう。今頃、あの謎の子供は捕まったと思うが謎の子供を捕まえたとしてすぐに帰るはずがない。戦う事を覚悟しないと死んでしまう。

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