第18話奇跡か夢か
自分の部屋の目覚ましが鳴って俺はベッドから起き上がってスマホを見る。通知は何も来てなくて俺はため息を吐いて二度寝する。昨日の事でやる気が無くなってしまったらしい。俺は学校にも電話をせずに寝る。家には母がいるが昨日の事で学校に行けとも言えないらしい。俺はため息を吐いて自分から学校に歩いて行く。誰も何も話しかける事が出来ず、ただ昨日の事が夢だと誰もが思いたかった。仲が良かった女子達にとっては可哀想な事である。俺も前田春香とは付き合ってはいないが仲は良かったと思う。だから今、こんなにも落ち込んでいるのだろう。滝川先生が教室の中に入って来る。
「昨日はすまなかった。私が早くサバイバル生活を中止すればこんな事には…。」
先生、違うんです。悪いのは全部俺なんだよ。俺が勝手に青流を起こして前田春香を巻き込んじゃったんだ。頭を下げる滝川先生に俺達は何も言えなかった。みんなは涙を流しながら前田春香の席を見る。もしも前田春香が生きていたら今頃、俺か女子達と話しているんだろうな。
「小山君、ゲートの新しい地球には前田さんはいなかったの?」
涙目で聞いてくる女子達に俺は何も言えずただ首を振る事しか出来なかった。前田春香になんて言えばいいんだ。俺があの時、前田春香を先に行かせておけばこんな事にならずにすんだのに。俺の父はまだ生きていると言うのに涼風香里と橋本知香と菜生桜がいても勝てないかもしれない。なぜなら本当は前田春香が一番天使の能力と悪魔の能力を使いこなせているからである。
「おはよう。」
「えっ…。」
突然の前田春香の声にみんなが涙目で前田春香の方を見る。女子達は前田春香の周りに集まってハグをしたりしている。俺は前田春香はあの時、確かに死んだと思うのになぜ生きているのかは俺には分からなかった。
「前田さん生きてて良かったよ〜。」
涙目で前田春香に抱きつく高橋藤花。滝川先生が涙を流しながら前田春香の頭を撫でる。「前田春香、昨日の出来事を教えてくれ。」
前田春香は俺の名前は伏せて昨日あった事を話した。
時間は昨日のゲートから逃げ出す時の話である。
「小山君、先に行って。」
俺は前田春香の言葉に何も言わずにゲートの方に行く。その時、赤いビームが飛んで来た。前田春香は攻撃を辞めて俺をゲートの方に突き飛ばした。父の赤いビームは前田春香の紫色の羽を貫いて落ちて行った。
「おい、生きてるか。」
前田春香はゆっくり目を開けると目の前に俺の父が立っていた。前田春香は立ち上がって釜を持って俺の父に攻撃しようとする俺の父は釜を受け止めて前田春香の肩に手を当てて天使の能力を前田春香に返した。前田春香は怪我はなくただの制服に戻った。
「健次にあったら伝えて欲しい。お前は俺と一緒に来いと。」
父はゲートを出した。前田春香は頷いてゲートに入って生きたという事である。
「小山君のお父さんが一緒に来てって行ってましたよ。」
俺は父が大っ嫌いだった。理由はやり方が汚いからである。人を騙して仲間にして最終的に捨てる最低な男である。
「分かった。後であって来る。」
会いたくはないが仕方がないだろう。理由はただ一つ俺の父が持つ本当の目を見たものは父には逆らえない。俺はゲートを開いて父の元に行く。
「この地球へ危機が訪れている。あの、女子達の力が必要なんだ。手を貸してくれ。」
俺に決定権はあるのだろうか。しかし、もしも前田春香と橋本知香と菜生桜が仲間になったとしてもその敵を倒してしまったら前田春香達は捨てられるのだろうか。その時は父であったとしても殺すしかない。問題はあの目を使われない事が一つの問題である。
「奴は一つの卵から生まれ今も進化をし続けている。最終になる前に倒す。」
その卵から生まれた奴は今どこにいるかは分からない。どこまで進化したか見たいものだが、前田春香達がいれば勝てるのだろうか。
俺はため息を吐いてゲートに入って学校に戻る。俺ははっきり言って前田春香達を連れて行く事は嫌だった。この前の戦いのように誰かが死んでしまうかもしれないからである。
「前田春香…。」
俺は名前を呼ぼうとした時、女子達と話している前田春香を見てやっぱり自分一人でなんとかしようと思った。たとえそれが他人に迷惑をかけたとしても。
「小山君。」
後ろから俺を呼ぶ前田春香。俺は振り返って見ると橋本知香と菜生桜が一緒にいた。ここで話した方が良いのだろうか。俺は父から言われた事を前田春香達に話した後に俺が一人で行く事を言うと前田春香は俺の右手を掴む。
「絶対に帰って来るから。」
心配そうな目で見る前田春香達だったが今回だけは連れて行けない。俺は次の日から学校へ行かなくなった。
「小山君、急に来なくなったよね。」
クラスの女子の言葉に前田春香達は心配になっていく。
二年が経って俺は結局卵から生まれた奴を倒すどころか見つける事すら出来なかった。俺はゆっくり学校に歩いて行く。
「小山君⁉︎」
約二年間俺は学校に行っていない。前田春香達は三年生になっていた。前田春香の髪は腰まで伸びていてより可愛く見えた。二年でも人は変わるのって事がよく分かった。卵から生まれた奴はまだ見つかっていない。敵は今
、俺を狙っている。それは敵の基地にあったあるものを奪ってしまったからだ。俺がこの学校にいる限り命を狙われるだろう。学校が終わって俺が帰ろうとすると前田春香が走って来る。
「ハァ、ハァ、小山君どこにも行かないって約束して。」
約束は出来ないが今、俺は命を狙われている。そんな状況で前田春香達を巻き込みたくないのである。短刀が俺の方に飛んで来て俺は剣で短刀を弾く。
「小山君何があったの?この二年で…。」
話すと長くなるが二年間で俺は罪を犯してしまった。それはこの紫色の卵である。前田春香は驚いた顔で紫色の卵を見る。この卵が孵った時、地球に危機が訪れる。俺一人でどうこう出来る話ではない。紫色の卵にビビが入って俺は袋に包んで走って行く。前田春香は俺を見て首を傾げて帰って行った。
〔ヤバイ…。このままだと孵ってしまう。〕
俺は紫色の卵を崖の下へ投げて紫色の粒を紫色の卵にぶつける。しかし、卵は破れて中から謎の子供が出て来た。海へ落ちて行った謎の子はそのまま溺れて死んでくれると助かるんだが、まぁ俺の知った事ではない。俺は黙ってその場を離れて前田春香達のところに行く。これで俺が狙われる事もない。前田春香の家に歩いて行ってインターホンを鳴らす。
「はーい。あ、小山君。」
ドアが開いて前田春香が出て来た。前田春香の家に来るのは二回目だろうか。中学の時に遊んだ時以来だが俺としては前田春香の家が落ち着く。
「どうしたの急に。」
前田春香は首を傾げて俺を見る。俺は少し謎の子供の事が心配だがもしも一緒にいたら殺されてしまう。明日になったら謎の子供がどうなったか見に行く事にしよう。多分初めて前田春香のお母さんのご飯を食べる。昨日は多分ずっと前田春香のお母さんは前田春香に抱きついて泣いていたのだと思う。初めて食べる前田春香のお母さんのご飯。とてもキラキラ光って俺には見えた。すごい美味しそうである。
「いただきます。」
俺は手を合わせてからご飯を食べる。海老チリや麻婆豆腐やチャーハンなど、他にも色々な料理が並んでいる。これは俺が来たから多く感じるのかいつもこんなに多くの物を食べているのかもしれない。俺は今日は前田春香の家に泊まる事にした。
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