エピローグ -ある少女の夢の始まりー





これは夢か現実か。


まどろみの中、そんなことを考える。


学校の屋上、わたしは彼と対峙する。


"仮面をつけた道化師"を従えたその少年は、わたしの憧れる姿の1つだ。


その目に宿るのは、誇りと強さ。


そこに追いつこうと、わたしは戦う。


精霊が、小さき魔物たちが、ぶつかり合って火花をちらす。


隣に浮く魔術師の少女の頼もしい声。


周囲をつつむのは、これまでに出会ってきた友人たちの声援。


わたしの体を、心を満たす、歓喜の感情。


その全てを込めて、わたしは1枚のスペルを詠唱する。


場に出現するのは、聖なる鏡。


これはわたしの、"わたし達の"切り札。


鏡面から放たれる、まばゆき光。


その光はどこまでも広がり、わたしと彼と世界の全てをつつむ。




………それは終わりの合図だった。




世界のリンカクは崩れ、光の中に溶けていく。


…………………………


そして始まる。


現実という名の、夢の続きが。





Fin

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