第2話 はじめての大喧嘩part2
その日、何故か父もイライラしていた。
「俺は絶対に持っていってない!
自分で持ってるはずだからよく探しなさい」
「わかったよ...よく探してみる」
強めに言い返されたことに
ビックリして渋々、了承した。
その後いくら探してもやっぱりない。
こんな暑い日にクーラーなしでは
たえられなくて眠れない。
想像するだけでもうんざりだ。
「オットー...やっぱりないから
探してみてよ...オットーが覚えないだけで
持っていったかもしれないじゃん」
父にもう一度、掛け合ってみた。
「だから、知らない。持っていってない」
なんでここまで頑なに探してくれないのか
笑うしかないレベルに思えてきた。
本当に変わっている父だ。
「じゃあ、もう明日電気屋さん行って買いに行ってくるわ...いくら探してもないから」
こんな小さいことで揉めるのも馬鹿馬鹿しく思えてきたし、お腹も空いてたので諦めて晩ご飯を食べることにした。
食べ終わって
暑い自分の部屋で携帯をイジっていたら
父が入ってきた。
「部屋にあった。」
この一言だけ言ってリモコンを渡してきた。
「ほらね!やっぱりオットーの部屋にあったじゃん!あーもー暑かった!」
「次からはつけっぱなしにしないように。
そのだらしなさ治さないと
また没収して今度は、渡さないからな。」
今思えば、探してくれてありがとう!とか
可愛らしく言っておけばよかったんだ....
でもそのとき
あたしは反発した。
「いやいや、つけっぱなしにしたのは
あたしが悪いけど、没収して覚えてなくて
絶対に持ってないとか言ってたくせに
謝りもしないって有り得ないんだけど。」
なかなか言ってしまった。
「なんでお前に俺が謝らなくちゃいけないんだ!じゃあ、お前が光熱費払ったらどうだ?!俺の家に住まわしてやってんだから謝れって言う方がおかしいだろ!」
唖然とした....
そうきたか...俺の家に住まわしてやってるって、そう思ってたのか...
「は?オットー今までそんなこと思いながらあたし達と一緒にいたんだ...
もう顔も見たくなくなってきたわ...」
「顔も見たくなくなるのは
こっちだ!!お前は俺の言う事聞いてればいいんだよ!」
これまた、すごい言葉が返ってきたもんだ。
母も怒鳴り声を聞いて様子を見に来たが
いつも通り、あたしを庇ってくれる様子はない。それどころか
お願いだから反発しないで。という目で見てくる。
父が怒鳴ってることよりも
母が助けてくれないことの方が悲しくなった
「あんたが言ってること最低だよ!
ここの家、つくづく気持ち悪いから
出ていくわ!!」
あたしも負けずと怒鳴って反抗した。
こんな小さすぎる出来事が
家出沙汰に発展した。
奴の言う事は絶対! みゆ @my78
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