奴の言う事は絶対!
みゆ
第1話 はじめての大喧嘩part1
「オッカー!あたしのクーラーのリモコン知らない?」
「知らないわよ!またつけっぱなしにして
お父さんに没収されたんじゃないの?」
「そんなわけないじゃん!
あたし今月まだクーラーつけてないもん!
いい加減クーラーつけないと限界」
母は、あたしが5歳お姉ちゃんが9歳の時に離婚した。
その頃バイオリンを教えてくれていた先生と再婚。
元々、母はピアノの先生だったため
今は父と音楽教室をやっている。
「ほんっとに何でもかんでも没収没収って有り得ない!絶対にオットーだ」
「帰ってきたら聞いてみればいいでしょ」
うちには昔からルールがたくさんある。
例えば、2階の電気をつけっぱなしにしたら2階まで行って電気を消して、
1階に降りて消す。
これを50回登り降りを繰り返して反省させられたり
門限過ぎたら素足で玄関で1時間正座
クーラーをつけっぱなしにしたら
リモコン没収を1週間など、
それなりに厳しかった。
そんな厳しさに耐えられず
姉はグレ始め16で高校を中退し出て行った。
そんな姉を見て
あたしまで迷惑かけられないと
両親に大きく逆らう事はしなかった。
「ただいま」
父が帰ってきた。
「ねぇオットー!
あたしのクーラーのリモコン持ってたでしょ?!今年まだつけてないんだけど!
しかも毎回、電気だのクーラーだの確認しに何回も部屋覗きにくんの辞めてくんない?!
あたし、もう18歳!」
暑くてイライラしていた事と
高校卒業しても厳しい事にもイライラしていたため、いつもより
強めに言ってやった。
「自分でなくしたんだろ。
人を攻める前に自分のだらしなさを疑いなさい。」
イラッとした。
でも反発するのも面倒だったから
低姿勢な態度に作戦変更して言い返した
「何度も部屋探したけどなかったかからさ...あたしももう一度探してみるけど一応オットーもオットーの部屋探してみてもらえる?」
大人の対応ができたと我ながらに
満足していた。
しかし
この日の父は機嫌が悪かったのか
いつもと雰囲気が違った。
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