社団方陣遮断

伏潮朱遺

 

     1


 僕の耳は聞こえすぎる。

 だから僕は口を閉じる。僕の声がうるさいからだ。

 喋れないわけじゃない。喋らないだけ。喋る気がないだけ。

 相手の言ってることだって、全然わからない。

 こみゅにけーしょんフゼン。つなガリマセン。あどれすヲヨクかくにんノうえモウいちどオクりナオしてください。

 僕が発信するメッセージはメールみたいなものだ。文字形式のテキストが頭の中で展開される。

 でも、これがうまく開ける人は世界でたったひとり。

 双子の弟。

 別に構わない。僕のお母さんにもお父さんにも聞こえやしない。僕らが小学生のときにいなくなってそのまま。あんまり長い間いなくなってたから死んだことにされた。

 これも別に構わない。

 僕らにはおじさんがいる。お母さんの弟。おじさんだけが僕らを受け入れてくれた。他の人はみんな僕らが厄介みたいで押し付けあってたのに。

 でも、おじさんのお父さんとお母さんが僕らを引き取ってくれることになって、僕らはおじさんとお別れした。

 淋しかった。そもそも僕らは二人だけだったというのに。

 おじさんのお母さんとお父さん、つまり僕らのお祖母さんお祖父さんは、決して悪い人じゃないんだけど、僕らはやっぱりおじさんのほうが好きだった。

 僕らは学校に行くふりをして家出した。家が厭だから家を出るわけじゃない。家を求めて家を出る。

 おじさんの家に行く。

 調べたとおりに電車に乗って、調べたとおりの駅で降りる。駅からなら眼を瞑ってても辿り着ける。危ないからやめたけど。

 おじさんの家は、迷路みたいな庭を通らないと玄関に辿り着けない。

 だけど僕らは異変に気がつく。

 迷路はさらに深く、草ぼうぼうで、池も何もいなくなってた。何年も人が住んでいないような。

 そんなおかしい。おじさんとお別れしたのはついこの間。たった数ヶ月前。

 ようやく辿り着いた玄関は鍵がかかってた。いつも開いてるはずの縁側のガラス戸も。一周しても結局同じ。

 弟の提案で、僕らが以前住んでた家に行ってみた。本当はあんまり行きたくなかったんだけど仕方ない。

 でもこっちはもっと様変わりしてた。

 見知らぬアパートが建ってた。二階建ての白くてきれいな。

 手掛かりなんてない。おじさんはいなくなってしまった。

 このままずっと行方不明だとお母さんとお父さんと同じになってしまう。死んだことにされてしまう。

 それは厭だ。弟も厭だといった。

 僕らはとぼとぼと家に戻った。お祖父さんとお祖母さんはいつも家にいないから、家出したことも、こっそりおじさんの家に行ってきたことも知らない。

 おじさんのお父さんとお母さんなら、おじさんの居場所を知ってるかもしれない。

 僕らは学校が終わる時間まで待って電話をかけた。あくまで僕たちは、今日も学校に行っていたのであって、決してサボったわけではないからだ。

 お祖母さんが出た。珍しい。てっきりお祖父さんが出るものだと思ってたから、弟はちょっとだけビックリしてた。

 おじさんの話題まで持ってくのに苦労した。前にいきなり話題を出して懲りている。お祖父さんもお祖母さんもおじさんのことが好きじゃないみたいだから。

 なんとかそれとなく尋ねたけど答えは芳しくない。要するに、知らない、と言われた。

 僕らは行き止まりに立たされた。

 おじさんについて知ってることは、家の場所と名前だけ。意味ない。おじさんは結婚してなかったから、名字なんかお祖父さんたちと同じだし。

 おじさんには僕のメールは届かない。

 何度もやってみたけど、おじさんも努力してくれたけど、最後の最後までダメだった。

 やっぱり僕のメッセージは、弟にしか開けられない。

 学校はつまらない。そんなことわかってる。家も面白くない。そんなことわかってる。

 おじさんは生きてると信じる。お母さんとお父さんみたいにはならない。そうじゃないと僕らはやっていけない。生きていかれない。

 ぜったいに、おじさんは生きてる。


     2


 僕はお風呂のとき以外、左耳に入れたイヤフォンを外さなくなった。弟は一日中ピアノの前に座るようになった。

 僕は耳がよすぎるから、左耳から聞こえる歌も、弟のピアノ演奏も、同時に同じ音量で聞こえる。右耳にイヤフォンを入れないのは、弟の声を聞くため。もちろん、そんなことしなくたって弟の声は届くんだけど、このほうが弟が、きちんと自分の声を聞いてくれていると感じてくれそうだから。

 僕のお小遣いはすべてCDになる。弟のお小遣いはすべて楽譜になる。お祖父さんとお祖母さんはぜったい気づいていない。だって、ふたりとも旅行ばっかりで家に帰ってこないから。お金さえ与えれば、子どもは幸せになれると思ってる。

 おじさんもお金持ちだった。何の仕事をしてたか知らないけど、僕らの欲しいものはなんでも買ってくれたし、僕らが困って電話すればすぐに駆けつけてくれた。

 同じお金でも、おじさんのくれたお金は、お祖父さんやお祖母さんがくれるお金よりずっとあったかだった。

 僕のメールは、お祖父さんやお祖母さんには届かない。届くはずない。

 こみゅにけーしょんフゼン。つなガリマセン。あどれすヲヨクかくにんノうえモウいちどオクりナオしてください。

 僕が世界に絶望するのはこれで三度目。

 一度目は、コミュニケーション不全の世界で生きているのだと気がついたとき。

 二度目は、お祖父さんとお祖母さんに引き取られておじさんとお別れしたとき。

 そして、いま。


     3


 僕は留守番をする。弟が楽譜を買いに行くから。

 双子という種族はいつも一緒だと思われがちだけど、僕らはそうでもない。別に一卵性だろうと二卵性だろうと。

 イヤフォンの調子が悪い気がして整備する。一通り点検したけど特に不調のところはなかった。とすると、調子が悪いのはイヤフォンじゃなくて僕のほうだ。

 また、聞こえすぎている。

 音量を上げても不可能。根本的にイヤフォンを改造する必要がある。

 弟がいないから、両方の耳に室内用イヤフォンを装着して曲を流す。一時しのぎだけどたぶん弟が帰るまでに何とかなる。弟の買い物がゆっくりという意味じゃなくて、僕の改造技術が優れてるということだ。

 そうやってお気に入りのCDをがんがんかけまくる。雨上がりの空気的透明感の歌声。最高にクールなサウンド。嵐の中の太陽的元気ヴォイス。

 もし世界が無音になったら、それはそれで面白いけど、僕はせっせと集めたこれらのCDコレクションがあれば生きていける。あえて贅沢を言うと、弟の声だけ聞こえれば。

 どうして耳が聞こえすぎるようになったのか。

 考えるだけ無駄なので、お気に入りのCDを聞いて注意を逸らす。周囲の音がすべて同じ音量でかつステレオで聞こえるだなんて悪夢だ。その気になれば、隣の隣の家の人の独り言だって聞こえる。実際、聞いたことないからわからないけど。

 頭が痛む。内部からずきずき、中心からぎいぎい。ナタで頭蓋骨をぱっくり割られ、キリで穴を空けられるような残酷な幻覚。

 おじさんに会う前に何度も病院に連れて行かれた。僕はまったくもって行きたくなんかなかった。つまるところは無理矢理に。

 僕は大人しいほうだから、抵抗もしないし泣きじゃくったりもしない。むしろ弟のほうがそんな感じ。僕のために、親戚の人たちに抗議してくれた。

 でも、病院に行ったって僕の耳はなんら悪いところはない。医学的にはってやつで。面倒な検査をいくつも受けた。

 痛くはないんだけど、検査室に入る前に弟の顔を見るのがちょっとだけつらかった。今生の別れみたいな顔で見てくるから、いくら感情が平板な僕だって心動く。動揺する。

 そして検査が終わると、医者は揃いも揃って申し合わせしたみたいに同じことを言う。きっとたらい回しの紹介状に書いてあったんだと思う。これこれこうゆうことを言ってくださいって。

 なにか精神的な云々。父母がいなくなったショックが云々。

 そう思いたいなら思えばいい。原因は、お母さんとお父さんが僕らを捨ててどこかに行った哀しみ、とかそうゆうことで構わない。

 だけどそれを僕に押し付けるのはやめてほしい。

 原因がわかったところで親戚の人たちは何も出来ない。お母さんとお父さんを連れてくることも、ちょっとあり得ないと思うけど、新しいお父さんとお母さんを連れてくることも。

 僕らはどっちも望んでいない。放っておいてくれればいい。

 おじさんみたいに。

 思い出したら哀しくなってきた。手元が狂うからちょっと休憩。

 天井を見ながら畳に寝転がる。

 おじさんの家も畳だった。いいにおいがする畳。

 僕らがおじさんのところに行くのは稀だった。たいてい、おじさんが僕らの前の家に来てくれて、いろいろなんでもしてくれた。本当になんでも。それも僕らが望んだことだけをきっちり。

 おじさんに会いたい。

 メールが届かなくても、僕のメッセージが伝わらなくても。

 おじさんは僕を病院に連れて行かなかった。弟経由で、耳が聞こえすぎる、だから自分の声がうるさくて声が出せないって説明したら、面白い、と言ってくれた。

 面白い。

 そんなこと言ってくれたの、おじさんだけ。世界でたったひとり。

 病院に連れて行かないの、と弟経由で聞いたら、どうして、だってさ。

 どうして。

 理由を聞かれたのも初めて。僕はうれしくなってますますおじさんが好きになった。

 君が行きたくなさそうだよ。

 そう。僕は病院なんか見たくもない。

 学校はもっと陰険だった。これはあんまり思い出したくない。いま思えば、学校の陰険な対応に耐えるために、僕は感情を平板に保つ術を身につけたわけだから。

 奥の座敷の、ガラス戸に面した廊下が僕のお気に入り。僕はほとんどここにいる。音楽を聴きながらイヤフォンの整備をする。

 隣の部屋にピアノがあって、そこに弟がいる。弟もほとんどそこにいる。手に入れた楽譜を片っ端から制覇する。

 その距離が僕らの標準。それより近くてももちろんいいんだけど、やっぱりこれくらいのほうが落ち着く。ピアノって、近づくと結構ぐわんぐわん響くし。

 呼び出し音。

 どうしよう。お祖父さんもお祖母さんも家を空けることが多いと宣言してるおかげで滅多に人なんか訪ねてこないんだけど、よりによって僕しかいないときに。

 居留守でいっか。

 呼び出し音。

 この音ほど嫌味な音はないと思う。電話のほうがまだマシ。あれは受話器を外しさえすれば停止するから。

 呼び出し音。

 そろそろ諦めてほしい。

 いないのだ。今日はたまたまこの家は留守なんだから。

 呼び出し音。

 呼び出し音。

 僕は非常用の耳栓を突っ込んで縁側に近づく。玄関の戸に覗き窓はないから、そこから見ようと思った。玄関そのものは見えないけど、訪問客が戸から離れると姿が確認できるようになる。

 呼び出し音。

 呼び出し音。

 そんなものを鳴らさないで少し戸から離れてほしい。そうすれば。

 最初に見えたのは黒だった。

 どこかで見覚えがある。どこだっけ。近くの公立中学の制服だ。

 黒い学ラン。

 僕も弟もその学校には通ってない。学区からするとそこなんだろうけど、お祖父さんとお祖母さんが私立にしろってうるさいから仕方なく。バスに乗らないとちょっと遠め。

 弟の友だち? それはない。僕の知り合い? もっとない。

 だとしたら、なんで?

 呼び出し音はしなくなった。そんな必要がなくなったから。

 僕と眼が合ってる。


    4


 急いで隠れてもよかったんだけど、僕はそれをしなかった。そもそも見つかる見つからないのぎりぎりのところで奥に引っ込むつもりだったんだ。いま思い出した。

 近づいてくる。

 僕より年上かな。僕の背は、おじさん譲りで低いからわからない。

 髪の色がきれいだった。薄い茶色。光が透き通ってるから色なしにも思える。透明。

 口が動く。

 抑揚が、僕の前いた地域に近い。僕らはお母さんの抑揚で育ったから、育った地域の抑揚は身についてない。でもそこで育ったはずのお父さんの抑揚と少し違う。

 変な抑揚。

 僕は縁側のガラス戸を開けた。どうして空けちゃったのかわからない。名前も素性も知らない赤の他人のはずなのに。陰険な目的があるかもしれないのに。

 学ランの彼は、おじさんのフルネームを言った。

 ビックリした。僕がおじさんのことを考えているのがわかったかと思った。

 でも違う。

 僕はそんなメールを送った憶えはない。それに、僕のメールは弟にしか。

 彼は、おじさんと知り合いみたいだった。それについて一通り喋ったあと、学ランのポケットから、しわしわになった封筒を取り出した。手紙。

 読め、ということらしい。

 僕は首を振った。おじさんが彼に宛てた手紙だってことはすぐにわかった。おじさんが彼に送った手紙なら、僕が読む権利はない。

 彼は口の端だけを上げて笑った。

 いや、もしかしたら口の端を上げただけかもしれない。だって、僕が知ってる人間の笑顔ってゆうものとは程遠い表情だった。

 どうして笑ったと思ったんだろう。

 これは癖、直したいのだがうまくいかない、と彼が言った。

 僕はまたビックリした。確かにその変な笑い方についての是非を考えたけど、メールを送った憶えはない。届くはずない。僕のメールは。

 オモロイね。

 そこにおじさんがいるかと思った。

 僕は、彼が差し出した封筒をおそるおそる開ける。すでに開封されているので、中の便箋を取り出すだけ。

 三つ折の白い紙。五線譜よりシンプルで、歌詞カードよりシンメトリ。

 遠慮がちの小さな丸文字。おじさんの字だった。インクの切れそうな黒のボールペン。所々掠れてる。

 内容を端的に表すと。

 おじさんは。

 こっちの世界にはいない。

 腕の力が抜ける。手紙を落としてしまって、学ランの彼に拾ってもらった。

 理由は霧散する。何を尋ねればいいのかもわからない。

 彼は僕のとなりに座って。

 すまんね。

 と謝った。

 おじさんがいなくなったのは、自分のせいだと言ってる。

 証拠なんかないのに。

 本当は手紙を届けるべきは、可愛がった甥の君たちのところだったのに、何の関係もない自分が最後の手紙をもらってごめん、と言ってる。

 本当に関係ないならおじさんは手紙を出さない。

 学ランの彼とおじさんがどんな知り合いだったのか、僕にはどうでもよかった。

 僕が知りたかったのは。

 どうして彼が、僕の家にその手紙を持ってきたのか、てこと。

 僕のメールは彼に届いてる。

 確実に。絶対に。

 だから、僕は腕の力が抜けただけで、なんとか安定を保ててる。

 興奮。違う。驚愕。違う。運命。違う。

 おじさんが探してきてくれたんだ。

 僕のために。僕が淋しくないように。

 僕は泣きそうだったけど、生まれたときにも泣いてないから我慢した。弟がいたら絶対泣かないから、弟不在でも泣かない。泣くべきでない。

 うれしいときは、泣かない。

 僕は、便箋を元あったように封筒にしまって、学ランの彼に返す。

 こみゅにけーしょんカノウ。つなガレマス。あどれすヲヨクかくにんノうえさいどオクってミてください。

 僕は名前を届けた。

 彼は、おじさんと僕の名字が違うから疑問に思ったみたいだった。

 おじさんは僕のお母さんの弟で、お母さんはお父さんと結婚したから名字が変わったけど、おじさんは結婚してなかったからそのまま。だから、おじさんのお父さんお母さん、つまり僕のお祖父さんとお祖母さんと一緒。表札はそっちになってたと思う。

 彼は頷いた。彼の名前も聞いた。

 名字だけ。

 名前は気に入ってないみたい。

 それに僕より一つ下だった。僕よりずっと背が高いのに、僕よりずっと落ち着いてるのに。背丈は仕方ないとして、その落ち着きぶりはちょっと異常。

 まるで、何遍も世界に絶望してきたみたいな。

 僕の数億倍は酷い世界を体験した。直接聞かなかったけどきっとそう。その状況をおじさんに助けてもらった。僕にはわかる。僕は耳がよすぎるから。

 僕らはしばらく黙ってた。

 違う。

 僕らはしばらくメールの遣り取りをしてた。

 縁側は涼しい風が通る。もうすぐ夏だけどまずは梅雨。どんよりの湿気がこっそり見え隠れする時期。

 おじさんは縁側でお昼寝するのが好きだった。僕ら兄弟は、その横でおじさんの寝顔を眺める。

 おじさんはこの家で育ったんだから、この縁側でお昼寝したこともあったかも。そう思って僕も真似してみる。学ランの彼は、口の端を上げてあぐらをかく。

 伝えたいのは、存在感。内容なんかどうだっていい。

 学ランの彼は、わざわざ表明しなくてもそれがわかった。弟よりもスムーズだなんて、さすが、おじさんが見つけてきただけのことはある。

 僕は耳栓を外した。

 大丈夫な気がした。それは的中する。

 すべての音が一様に同じ音量で聞こえるのなら。

 たった一つの音だけに集中するのもおんなじ。

 フツーの人は労苦なくそれができてる。僕は出来てなかった。耳が聞こえすぎるから。

 僕は、彼の音だけ聴いてた。彼が発する、おじさんの音だけ聴いてた。

 世界の淵が紅くなるまで。


     5


 紫になったときに弟が帰ってきた。彼もそろそろ帰るって言った。

 弟は、ついさっき購入したての楽譜を抱えたままパチクリした。彼が僕の友だちだと思ったからビックリしたのだ。

 友だち。

 確かにそう。僕らは友だちで間違ってない。

 弟も彼と友だちになった。手紙は見せてないけど、僕がメールを転送すればいいだけ。おじさんの手紙は、僕が憶えてる。

 彼は、僕の通っている学校名を聞くと顔をしかめた。勉強ばっかりの学校だから。

 明日また遊びに来る。

 そう約束して、彼はくるりと背を向けた。

 あんなにきれいな黒は見たことない。あんなにきれいな茶色も見たことない。

 弟はさっそくピアノの前で楽譜をなぞっている。僕はそれをBGMにしながら心機一転新しいイヤフォンを耳に入れる。

 音質良好。さすが完璧。

 学ランの彼と入れ違いで、お祖父さんの車の音。二人が帰ってきた。両手いっぱいに袋を抱えてる。僕が入ってもまだがさがさ鳴りそうなくらい大きなスーツケースに派手なシールがべたべた。

 きっとあれ、ぜんぶ、僕らへのおみやげ。

 あんなにもらってもね。置き場所がないのにね。

 僕ら兄弟は、顔を見合わせて首を傾げる。

 こみゅにけーしょんカノウ。つなガレマス。あどれすヲヨクかくにんノうえさいどオクってミてください。

 仕方ない。荷物を運ぶくらい手伝おう。

 僕らは玄関に向かう。

 いまなら、届く気がする。

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