第15話 バミューダ・トライアングル

 俺たちは1947年の大西洋にいた。この海域でヒューマン社は飛行機や船から乗組員の誘拐を繰り返しているらしい。なぜこの場所なのか、さっぱり検討がつかないが……。

 過去の人類は、この海域を魔の三角海域「バニューダ・トライアングル」と呼んで、恐れられているらしい。


 ミエコの情報によれば、狙われる輸送機はアメリカ空軍のC46輸送機と、C54輸送機らしい……。とはいっても、どれが狙われている輸送機なのか分からない……。

 俺たちは、途方に切れながらキョロキョロ辺りを見回してると。


「だと思ったわよ!」

 ミエコがドヤ顔でポケットから無線機を出した。


「これが私特製の無線機。不可能といわれたヒューマン社のタイムディスクの無線を傍受できる優れものなんだから!」

 そう言うと、無線機のスイッチを入れた。


 とってもレトロでクラシックな機械の中に、2118年らしいスマートな機械が混ざる斬新な無線機は、オートチューニングを始めた。


「ザーーッ」

 ミエコの無線機は一定の雑音を流し続けたが

「……上空でアメリカ陸軍C54輸送機を発見、ターゲットをこれに絞り捕獲作戦に入る。」

 ヒューマン社と思われる無線を拾った。血の通っていない抑揚のない声だった。


「よし!」

 ミエコは小さくガッツポーズをしながらドヤ顔でみんなを見た。


「でも、どこの上空なのか、肝心な部分を聞き逃してしまった! 一体どこにいるんだ?」

 ハヤトは悔しそうに無線機を耳に当てた。

 ほんの数秒の沈黙の後、再び無線機から声が聞こえてきた。


「アル、作戦開始了解。現場に急行する」

 さっきとは違う男性の声がする。


「アル?」

 4人揃って大きな声を上げた。


「もしかして、数台で作戦を行うってことか?」

 クルム先輩の顔が少しこわばっている。

 4人は、お互いの顔を合わせ小さく頷いた。


 再び無線から声が聞こえてくる。

「アル、キューバ上空に到着。現場クリア。作戦開始どうぞ。」


 俺は思わず叫んだ。

「キューバ上空だ! 近いぞ! 急げ!」

 そして、念の為に事件を一部始終記録できるようにフライトレコーダーのスイッチを入れた。

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謎の真相は地下か地上か~DEEP KEEPER~ @masyan0238

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