閉塞感のある田舎で芽吹いた春の素

父親の急な無茶振りで青春最期ともいえる高校3年生の春をめちゃくちゃにされ、鬱屈とした気分で家業を手伝う中、骨折するという主人公の描写から始まります。
この作品は、アレな親と暴力、田舎の閉塞感や噂話の鬱陶しさが丁寧に描かれていますが、そんな田舎で主人公はインターネットと短歌に出会い、そして、新しい友人と出会います。

現実との友人との交流、作品を通しての他の人の交流で芽生えた気持ちに気付く過程が、前半の田舎の描写のお蔭で更に暖かく、美しいものに思えた気がします。
主人公に幸あれ…

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