財宝伝説の残る消えた幻の城
突然の火山噴火で地中に埋もれた街ポンペイ。
地中から発見されるまで、存在すら忘れられていました。
日本でも、同じように一夜にして消え去ったと言われる城下町があったんです。
現在の世界遺産にも登録されている岐阜県 飛騨白川郷。
ここの西側に、かつて城下町が存在していました。
城下町の中心には、帰雲城と呼ばれる内ケ島(うちがしま)一族の城。
帰雲城は、かえりくもじょう、きうんじょうと呼び方も色々あります。
城の背後には帰雲山があったと言われています。
(昔の読み方は、フリガナ無しなので本当の呼び方はよく分かっていないんですね。)
天正13年 11月29日夜遅く。
中部地方で巨大な地震が発生しました。
天正大地震です。
この地震で、山も城も内ケ島一族も滅びました。
跡形もなく消え去った城と城下町。
現在、残されているのは崖崩れの痕跡を残した山と、ここにあったかもしれないという帰雲城跡地の石碑と神社だけです。
天正大地震の震源や断層などの詳しい場所は特定されていません。
一説には、岐阜県にある断層ではないかと言われています。
(戦に次ぐ戦、もうすぐ戦も終わるって時に大地震。震源や断層と言う知識なんかもそんなに無かったとなれば、分からなくて当たり前かと思います。)
この天正地震で、美濃にあった大垣城は全壊。
越中では前田利家の弟 前田秀継(まえだひでつぐ)一家が城の倒壊に巻き込まれ死亡。
琵琶湖近辺では、山之内一豊(やまのうちかずとよ)の居城が倒壊。
各地で地面の液状化現象が発生。
さらに、地震の影響で津波や噴火が確認されたと言われています。
多くに武将やその一族が巻き込まれました。
民衆の被害状況は想像もつかないほどだったと思われます。
この地震で、多くの山が山体崩壊を起こしています。
山体崩壊とは山そのものが崩れたり、一部が雪崩のように崩れ落ちる現象です。
内ケ島一族が住んでいたのは、帰雲山のふもとで城の前には、川が流れていたと言われています。
夜間に起きた大地震、誘発されて起きた山体崩壊、それに伴って引き起こされた土石流に、内ケ島一族と家臣と、城下にあった300軒以上の民家と500人以上の民衆が、成す術もなく飲み込まれたと言われています。
土砂は、川に流れ込み天然ダムを作ってしまったそうです。
生存者は、偶然村から離れていた村人数人と仏門に入り、飛騨を離れていた内ケ島氏理の弟など、ほんのわずかな人々でした。
この天正地震の記録は、生き残った内ケ島氏理の弟によって詳しく書き残されています。
山体崩壊と土石流による土砂の流入、天然ダムが作られたことなどが重なり、帰雲城や城下町などが、どこにあったのか分からなくなってしまったのです。
生き残った村人ですら、正確な場所が分からなくなるほどの地形の変化。
現在残されている帰雲城跡地とされている場所や帰雲神社などは、この辺だったかもしれない。というあいまいな場所に建てられいて、正確な場所は今でも分かっていません。
この地震で、内ケ島一族が持っていた金や銀などの鉱山も、崩壊し土砂に埋もれてしまった可能性があるんです。
もともと内ケ島一族が、飛騨白川郷を任された理由の1つが、鉱山経営能力の高さと技術力の高さです。
内ケ島一族の指示のもと、飛騨近辺の山々から取り出された鉱物資源は、一括管理されていたはずです。
広範囲でそれぞれ管理するよりも、一括管理の方が目が届きやすく安心して管理できます。
古い文献には、内ケ島一族が管理していた鉱山は、金山、銀山を含めて7つ以上と記されています。
豊臣秀吉も、そこから生み出される資金力に目をつけています。
内ケ島一族の鉱山経営の資料、鉱山の場所を記した資料、帰雲城に集められていた鉱物資源。
これらを、現在の価値に直すと1兆円近くになると言われています。
(価値云々より、歴史的価値の方が大きい気がします。でも、本音を言うと一割で良いので分けて欲しいw)
なんとなく見つかりそうなイメージですが、おおよその場所は分かっていても、土石流に流されたり、地中深く埋まってしまったりと地形そのものが変わっていたり、もしかしたら、天然ダムの底に沈んだというケースも考えられます。
帰雲城近辺で、何かの工事の最中に発見される可能性の方が高いかもしれません。
戦国に名をはせる有名武将とは違い戦での活躍よりも、資金力と鉱山経営で名をはせた内ケ島一族。
天正大地震によって、一夜にして消え去った悲劇の武将。
帰雲城に関する詳しい資料が見つかれば、埋もれた財宝も内ケ島一族の痕跡も見つかるかもしれません。
(許可なく掘るのは違法なので、宝探しは行政機関の指示に従って行ってください。)
謎に満ちた遺跡と隠された伝説 猫執事 @hachitaku
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