伝説に彩られた大陸
伝説上の失われた大陸と言えば、まず思い浮かぶのはアトランティス。
そして、ムー大陸。
レムリア大陸はすでに架空とされています。
しかし、ナンマドール遺跡やインドで発見された海底遺跡など、もしかしたら?と思ってしまう遺跡の数々があるのも事実です。
アトランティスはその中でも実在していたのではないか?と考えられている大陸の1つです。
紀元前1万年、大西洋に実在したと言われています。
(昔すぎてピンとこないので、古代メソポタミア文明のギョベクリ・テぺ遺跡が人類最古のコミュニティの痕跡と言われています。そのギョベクリ・テぺ遺跡と同じ時代…と言われてもピンとこないw)
アトランティスの名前が文献に登場したのは、古代ギリシアの哲学者プラトンが書いた「ティマイオス」と「クリティアス」です。
これは、プラトンが他の人に語るという対話形式で書かれたものです。
まず、ギリシアの政治家ソロンが、エジプトで言語や文化を学んでいるときに、エジプトの神官からアトランティスという古代文明があった。という話を聞きます。
その話を、帰国後に親友ドロビデスに自慢話のように語り、ドロビデスは息子のクリティアスに話し、息子のクリティアスがさらに自分の孫のクリティアスに話す。
(孫に自分の名前つけないで欲しいwややこしいです)
その孫のクリティアスが語った内容を、プラトンがまとめた。という流れです。
つまり、最初に聞いたソロンからプラトンまで、かなりの時差があったということになります。
(これじゃぁ言い間違いや記憶違いがあっても不思議ではない。と思います)
これを踏まえたうえで、アトランティスの場所や特徴をまとめてみましょう。
1・ヨーロッパとアフリカ大陸の間にある ヘラクレスの柱の外側大西洋にある。
2・キプロス島よりもはるかに大きな島である。
3・資源が豊富で、農産や畜産が行われている。
4・大西洋を中心に、地中海西部からアフリカ西部一体を支配していた。
5・紀元前9400年頃、地中海沿岸を支配しようと戦争を仕掛け、アテナイ人達の抵抗にあった。
6・撤退した直後大地震と洪水、津波により滅びた。
これが、一般的に伝わっているアトランティスの伝説です。
アトランティスの支配階級は、海の神ポセイドンの血を引く一族。
ヘラクレスの柱というのも、ギリシャ神話のヘラクレスに由来します。
この中で、一番重要だと考えられるのが、5、6の部分。
アトランティスは他国を支配しようとして戦争を起こし、国が疲弊し撤退した直後に自然災害に見舞われた。
こういった国は、当時なら割と多かったと思います。
政治家ソロンが、エジプトの文化や言葉を学びに行っていた当時のエジプトでは、海外との交流や交易が盛んに行われていました。
その中で他国の神話や伝説の記録、地中海の災害等の記録等も伝わっていったと考えられます。
当時のエジプト神官は、神事や祭祀の他にも政治とも密接に繋がっていました。
ギリシャの政治家ソロンにエジプトの政治家でもある神官が、アトランティスの話をした。そこに、ヒントがあるのではないかと言われています。
「平和的に外交を行い、話し合いによる問題解決をしなければ、アトランティスのように滅びてしまう。」
という教訓として、政治家ソロンに語った可能性があります。
当時の地中海周辺で頻繁に起こった災害の記録を元に、ギリシャ人であるソロンにも分かりやすいように、ギリシャ神話の神々の名前を借りてエジプト神官が話したとすれば、アトランティスの支配階級が、ポセイドンの一族だったり、ヘラクレスの柱が出てくる理由も説明出来ますよね。
アトランティスが教訓として語られたとすれば、その場所はどこの国のことだったのかと言うと、実は最有力候補があるんです。
イタリアのサントリーニ島です。
サントリーニ島はミノア文明の影響を受けて繁栄していましたが、突然の火山の噴火によって島の半分が、海中に沈んでしまい現在の形になったと言われています。
その影響で引き起こされた津波は、地中海沿岸にも被害を出したと言われています。
サントリーニ島は、マタパン岬の外側に位置しています。
このマタパン岬をエジプトの神官が、ヘラクレスの柱だと言ったとすれば「クリティアス」に書かれたアトランティスの位置や、災害の様子が一致すると言われています。
さらにサントリーニ島では、ミノア文明の影響を受けて、牡牛をモチーフにした絵画や造形物が作られていました。
その点も、アトランティスの牡牛崇拝と一致します。
また、アトランティス文明は青銅文化を持っていましたが、サントリーニ島でも青銅文化を持っていました。
(ここでアトランティスは地中海だよ~と思っても、安心できないのが伝説と呼ばれる所以かもしれません)
もう1つ、エジプトの神官が参考にしたかもしれない災害があります。
北米で紀元前12000年前に起きた氷河湖決壊洪水です。
氷河期に凍り付いた湖が、氷河期の終わりと共に気温が上昇し溶け出し、氷河で支えられていた部分が決壊して大洪水を起こしたという現象です。
この洪水で被害を受けたマヤ、アステカ文明の話が、ヨーロッパに伝わったという可能性もあります。
アフリカのスース・サマ平原にも、アトランティスと言われる遺跡があります。
(アトランティス地中海説、大西洋説、北米説。ざっと見てもこれだけあるという事が、アトランティス最大の魅力かもしれません)
最後にアトランティスの実在を示すと言われている証拠を1つ紹介します。
「プリアモスの財宝」
トロイア遺跡を発見したシュリーマンが、ひそかに発掘現場から運び出し隠したと言われる財宝です。
(考古学的にはアウト!ですが、奥さんに財宝の王冠とかネックレスつけさせて記念撮影~なんてことをしたシュリーマンならやりかねないです。)
「アトランティスの王クロノスより」と書かれた壺や像があり、ミュケナイの碑文には
「エジプト人の初めはミゾルにあり。ミゾルはエジプトで神と称えられるトゥトのの息子で、トゥトはアトランティスの王クロノスの娘を愛した神官だった。身分違いの恋を成就するため、2人はアトランティスを離れエジプトにたどり着いた。」
と言う内容が刻まれていたそうです。
このプリアモスの財宝の場所を知ってたかもしれない、アトランティスに関する有力情報を持っていたかもしれない。と考えられていたのがシュリーマンの孫パウロ。
しかし、パウロはある日突然行方不明になってしまいます。
ロシアに隠されているという、アトランティスの場所を示すパピルス文書を探しに行くまさにその矢先の出来事だったそうです。
この「プリアモスの財宝」は、第二次世界大戦中にドイツに運ばれ、敗戦濃厚になるとシューネベックの岩塩坑に隠され、さらにロシアのプーキシン美術館に隠されたと言われています。
ロシア側は、「プリアモスの財宝」と思われる遺物を地下倉庫から引き揚げる。と言っていますが、それがいつになるかは謎のまま。
(さてさて、アトランティスに関わる者は命を落とす。なぁんて囁かれてもいますが、アトランティスが存在していたとしても、何万年も経っている。海の底に沈んでいる。となると、だいぶ風化も進んでいると思うし、完全な形でアトランティスが発見されるのは難しいかもしれないですよね。)
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