冬嵐

作者 ほしちか

9

3人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

ほしちかさんの小説はいずれも心温まるのですが、この作品は群を抜いて優しいうえに、ほしちかさんの作家としての実力がぎゅっと詰まっています。
一見そうに見えないのが、かえって実力の高さを物語っていました。

台詞一つ一つに、文章一つ一つが読む人の心に触れるようで、冬と海と銭湯という舞台にぴったりとマッチしています。

様々な想いが交わって、どこへ着地するのか。更新が楽しみです。
そして完結した暁には、書籍となるに相応しい名作となって世に出ると思っています。

出版社さーん!ぜひ!ご検討を!!(笑)

★★★ Excellent!!!

神の視点の三人称小説は意外に難しいので、安易に一人称小説に逃げる作家さんもいますが、ほしちかさんは逃げているわけではないので、一人称にした結果、見事に主人公とヒロインの微妙な距離感を描き切っています。

女子高生は救われるのか?
彼女の自殺願望の理由は勉強だけなのか?
順の恋人の自殺の原因は?
そして、31歳の男と女子高生は恋愛に発展するのか?

美しい文章と、謎の多いストーリーが見事に絡まって、続きがとても楽しみです!

★★★ Excellent!!!

恋人の自殺を止められなかった過去を持つ、主人公の矢知順。
彼は海辺のゴミ拾いをしている最中、砂浜に倒れている少女を見つけます。
聞けば少女は、凍死したくて自らそこに倒れていたという。
自殺した恋人が重なって見えた順は、少女に手を差し伸べることにするのでした。

注目は、主人公と少女が急速には接近しないところです。
その距離感ゆえに、物語は主人公の内面にもフォーカスがあてられます。
少女との出会いによって広げられた主人公の心の傷。
その傷の中を覗き込むことができるのもこの小説の楽しみです。
もちろん主人公だけでなく、少女のことも気になります。
かつて恋人を救えなかった主人公は、少女にどのような救いを与えることができるのか?
どのように決着するのかドキドキしながら読める小説です。