第5話 初デート1

金曜日

今日は創立記念日

普段ならゴロゴロしているが、早めに起きて朝ごはんを食べて、出掛ける準備をする。


――そう、今日は初のデートだ。


と言っても、所詮中学生だ。

昨日の夜にメールで打ち合わせをして、生駒山上の遊園地に行くことに。








「おまたせー」


通学定期の範囲で、高校の最寄りの堺市のホームで待っていると、普通電車が到着して、葵衣が降りてくる。


「ううん、全然まってないから」


今まで散々ラブコメを読んできて、言いたかったセリフだ。



関空快速に乗り込む。

いつも乗るときは、一列の座席に座っていて、いつか彼女と二人で二列席に座ってみたいと思っていた。


でも、今日は叶う。


「ここから10分ぐらいかな?」


「せやな、なにもなかったらそれくらいかな」


天王寺で環状線内回りに乗り換えて、鶴橋に行く。


「近鉄なんかめっちゃ久しぶりやな~」


南海ユーザーはあまり近鉄には乗らないらしい。

阪神からきた快速急行に乗り込む。

生駒までならノンストップだ。


「涼太くんって普段は何してるん?」


「なんやろ、ドラマ見たり、ウォーキングかな。落語も聞くけど」


「ふふっ」


葵衣がクスクス笑いだす。


「いやっ、だってあまりにも趣味渋すぎて………お爺ちゃんみたい…っ!

友達と遊びに行ったりは?」


「なんで平日毎日出会ってる奴らと休みの日まで一緒やねん。葵衣やったら大歓迎やけど」

      

何気無く彼女の方を見ると、しがみついていた。


「もういいっ!おやすみ!」


女心はよく解らん。































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超甘えたな彼女と俺 電子レンジ235 @kintetsu5200

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