第4話

「――はぁ」    


唇を離すと、さらに葵衣の顔は赤くなっていた。


「大丈夫?葵衣」


「………………ヤっちゃった」


「はぁ?」


聞こえないぐらいの声で、何かを言う。


「……初めて……キスした」


葵衣がこちらを上目遣いで見上げる。

今は隣で座っているが、ほぼ涼太が葵衣を覆い被さるような形になっている。


「俺が初めてでいいのか?」


後々の話だが、人の初めてに関わったのは事実。少しの罪悪感が涼太の頭に浮かぶ。


「涼太くんが一番好きやからいいの」


と言いながら、涼太を抱きしめる。 


「昼飯食べよっか」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る