エピローグ
「それで、結局どうなったの?」
そう言ったのは、学期末休暇におけるリエラ達の一連の冒険譚を聞いていたジークリンデだった。
どうやら、目の前の友人――リエラはたった一月で、とてつもない冒険をしてきたらしい。付き合わされないでよかったと思う反面、よくもまあここまでやりきったものだとある意味感心してもいた。
「竜さんを見送ろうと一歩踏み出したら転んじゃって、身につけろって言われた欠片を呑んじゃったんだー」
「へえー、その結果は? 属性は変えられたの?」
「うん! ほら見て!」
リエラが軽い魔術を発動させ、手元に水の球体を生み出した。ただ、それと同時に火の球体も出現していた。
「身体にゆっくりと馴染ませなきゃいけないものを呑み込んで、一瞬で吸収しちゃったせいか二属性扱えるようになっちゃって。おそらく世界初の事例だから、六代名門とかの学院生からの誘いが凄くってさー、とりあえず国から保護って扱いになっちゃって、勝手に結婚しちゃ、ダメだって言われた」
「へー、そうなの」
そう言ってジークリンデは紅茶を一口すすった。
それにあわせるように一拍、
「なんでこうなっちゃたのぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
リエラの特大の嘆きが大空へと響き渡るのだった。
「うるさいから叫ばないでよ……ここ喫茶店よ?」
「(……というか願いを叶えてもらえるのが本当なら彼との結婚でも願えば良かったのに)」
属性は何を選択すればお嫁さんにしてくれますか? 海星めりい @raiki
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