第3話 う わ き
次の日の学校で朝から村上が
「お前の父ちゃんうわきもの!」
って言ってきた。バカバカしいと思った。
愛華ちゃんが私の前に腕を組んで
ずかずかと来て「こら!村上!ひかりちゃんのお父さんがそんなことするわけないでしょ!」
私に背中を見せて手を広げて言った。
でも愛華ちゃんが結菜に私と、私の家族の悪口をコソコソ言ってるのを私は知ってる。
愛華ちゃんはそういう子だった。
冬でもいつでもフリフリなスカートを履いて
みんなより少し高い位置に大きいリボンで
ポニーテールをするような子だった。
私をかばったのも、かばったふりをしたのも
男子にちょっかいをかけられたかったから。
私はちゃんと分かっていた。
愛華ちゃんは私に大丈夫の一言もなかった。
男子を追いかけて行った。
でもそれで良かった。
大丈夫と言われても大丈夫なわけなかった。
冬休みが始まり、私たち家族は引っ越した。
キャラメルの味 コアラのジュース @Mokomokoland
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