大まかな時代考証はあっていると思います。
ただ気になるところがちょっとだけ。
「恭平の父親に世話に――」からの三行。
まずは「父親に世話に」で助詞の(に)が続いています。読み難いので、別の文章に直したほうがいいと思います。
そして、この文章ですが、話の流れからすると、鉄次郎の心の声だと思うのですが、作者の声とどっち付かずになっていると……。
どちらかに、統一した方がいいですね。
それと、当時の道場は剣術だけではなく、武士としての心構えや考え方、勉学を学ぶ場所でもありました。恭平の父から受けた恩は
、精神にも及んでいるはずです。もうちょっと突っ込んで書いても、いいかもしれないですね。
最後に、この当時の牛鍋は味噌仕立てでした。お出汁でもあっているけど……知っている人のほうが少ないかなぁ。(笑)
作者からの返信
ご丁寧なアドバイスありがとうございます!星までいただきまして…!とても参考になりました!精神面のくだりはもうちょっと考えて書いてみます。うまくいけば深みが出そうですね…!
牛鍋、味噌なのですね。すっかりすき焼きのイメージでした。味噌仕立てってどんな味がするのか普通に食べてみたいです(笑)
編集済
面白かったです。悲壮感に溢れるわけでもなく、でも単純なハッピーエンドでもなく。こういう物語、好きです。この時代の、そうした人物であれば、そうなるだろう、と思える点も好ポイントですね。
また、わかりやすい起承転結、それでいて「読者の興味を引くような場面を冒頭に持ってくる」というのは、上手い構成だと思いました。
ある種、定番の構成ではあると思うのですが、これって上手にやらないと時系列がわかりにくくて読者が少し混乱するのですよね。もちろん「ん?」と感じるのは一瞬だけど、その一瞬が読者にとって「作品世界から現実に引き戻される」という『一瞬』だから、作者にとっては致命的な『一瞬』になるはず(逆手にとって「あえて考えさせる」という手法もありそうですが)。
以上は、あくまでも一般論です(この作品の「気になった部分」ではないので、くれぐれも誤解しないでください)。その点、この作品では、全く「ん?」とはならず、話がスーッと頭に入ってきました。素晴らしいです。
また、作品そのものの面白さとは違う、細かい点ですが。
>「西洋ではこういう時、互いの手を握るんだって。シェイクハンドっていうらしい」
>「はっ、とんだ西洋かぶれだな」
握手も文明開化の一例だったとは知らなかったので、勉強になりました(フィクションであるはずの娯楽作品を楽しんで、知識が増えるって、いいですね)。
明治時代の西洋かぶれ、そして、そこから時代を経ての私たち。そうしたものに想いを馳せると、この作品のタイトルがカタカナ表記ではなく英語表記である点にも、作者の気持ちが込められているのだろう、などと思ってしまいました。
作者からの返信
とても丁寧な感想いただき、ありがとうございます!
結末のシーンを冒頭に持ってくるのはこの作品で初めてチャレンジした構成だったのですが、すんなり読んでいただけたということで、非常に嬉しいです。
握手の文化は、幕末~明治にかけて西洋から入ってきた文化です。しかし(推測ですが)わざわざ日本人同士で握手をすることは稀だったのでは、と思ってます。(現在でもあんまりやりませんよね笑)