第2話 黒
燐堂 遥(リンドウ ハルカ)は、今日もまた悩んでいた。恋とは一体何なのか。もっとキラキラして輝く琥珀糖のようなものではなかったのか。
毎日のように性交しているが、ここに答えはないのだと気づいている。身体を交えていれば、特別な何かが手に入る気がしていた。輝きを取り戻せる気がしていた。しかし、その思いとは裏腹にドス黒い何かが私を襲う。自分の唯一の自慢であるこの長い黒髪が、スライムのようなドロッとした液体に変わり、相手と自分を飲み込んでいくような…。暗闇の中でただただ時間だけが過ぎ、行為が終わるのを傍観している自分がいた。
「また分からなかった。本当にわかりたいと思っているのかも、もう…」
暗くなった街の中を1人歩き始めた。
酸いも甘いも ゆきむら @yuki_mura
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。酸いも甘いもの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます