大切な友達を亡くしてしまった主人公の少女。
少女は、彼女が自分に託したものを確かめるために、たった一人で暗いうえに不気味な森へと向かいます……
読み進めていくともに、読者である私も”悪夢の中の悪夢、その悪夢の中のまた更なる悪夢”へと、引きずり込まれていくようでありました。
どれだけ怖くて逃げたくとも、どれだけ後悔していたとしても、「魔」がその両手を広げ、どんどん深く、暗く、冷たく不条理な悪夢の中へと主人公を包み込んでいくかのごとき不気味さが漂っております。
この傑作「『魔』ナル者」は、背中からじんわりと冷たくなってくるだけではないのです。
最終話となる第3話で、突き付けられた真実に読者である私も考えさせられることとなりました。
大切な友達は何を託したのではなく、”なぜ”主人公に託したのか?
あなたも是非、主人公の少女とともに不気味な森へと足を踏み入れてみてくださいませ。