第3話 パウリーオン星③

達川欽が師匠の元で過ごして3ヶ月たった。





流石に師匠のように足での研磨は無理であったが、ある程度の桃色の円盤は作れるようになった。





師匠は円盤の上を高速で走り回りながらも、懇切丁寧にアドバイスしてくれた。





その間も作業が正確で、シュパパと足がリズミカルなのが流石である。





そんなある日、街にならず者が現れたという噂が届いた。





達川欽:どうしたのだ、血相を変えて?





弟子:大変です、街に桃色の円盤を盗む輩が現れました。





達川欽:なんだと?





弟子:次々と名家の桃色の円盤が盗まれて、街は壊滅状態です。





達川欽:なんということだ。





弟子:どうしたらいいでしょうか。





街に現れた円盤泥棒は以前は真面目に作業をする男だったらしい。





しかし、最近になって横暴な振る舞いをするようになった。





そして他人の円盤を盗んでは自分のアジトに持ち帰り飾るようになったのだ。





ならず者を集めてギャング団体のようになり、警察も手が出せないような組織になってしまった。





達川欽:ふむ、困ったものだな。





弟子:達川先生、何かいい知恵はないですか?





達川欽は黙考した、そして20分ほどで結論を出した。





達川欽:それは放っておけばいいのだよ。





弟子:えっ?何故ですか??





達川欽:桃色の円盤はメンテナンスが大変だ。





たとえ良いものを手に入れたとしても毎日磨かなければ、すぐに青黒くなりダメになってしまう。





よってメンテナンスの為に職人を雇わなければならない。





また、アジトを守るための傭兵も雇う必要があるだろう。





そんな状態では維持費だけで経済的に破綻するのは目に見えている。





1ヶ月もすれば勝手に没落するよ。





達川欽の言った通り、ならず者は経済的にパンクし、給料を貰えなくなった傭兵にボコボコにされて浪人となってしまった。














そして桃色の円盤は元の持ち主の元に戻ってきた。





達川欽は星の人々に感謝されて、星を去っていった。














学んだ教訓:いい女は自分で見つけ、自分で育ててゆかなければいけない。

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達川欽の宇宙旅行 @take8142

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