一 四 〇

アーモンドゼリー。

鏡に顔を食われたという人間を、私はたくさん見てきた。

洗面所に掛けられている普通の鏡でもありうる話なのだそうだ。

私の町には、顔の前半分が失われている人で溢れている。

私にはまだ顔があるけれど、今日の供物は私かもしれない。

嬉しい。

かがみ様は今日も、いろんな鏡を経由して会いにくる。

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