骨傘

安良巻祐介

 

 真っ白い骨傘をさして、ぶらぶらと蘭陵橋を歩いていると、橋向こうから指差され、口々になにか叫ぶものがある。死人に間違われたらしい。気味が悪い。俺の趣味も悪いが。腹が立ったから酒でも呑もうと懐をまさぐったら、六文。おや、と思って見てみれば、足は動かしているのに、いつまで経っても向こう岸に着かない。骨傘が馬鹿にしたようにきしゃきしゃと笑う。これはしたり。俺は死人に間違いなかった。

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骨傘 安良巻祐介 @aramaki88

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