第7話 長い旅路の果てに

私はカレン、無善虚構で産み出された、1人の哀れなシャドウ。でも1人の人間として、そして一度世界を破壊したものとして、務めは果たせたかな。私の肉体は度重なるジャンプの影響で、限界まで来ていた。連合軍の宴が開かれているその隣りで、私は太陽の下、最後の日光浴をしていた。そんな時、1人の少年に声をかけられた。

「カレン」

「藤々陸」

「最期にお前に言いたい事がある」

「なんだよ改まって」

藤々陸は一呼吸置いてから続けた。

「俺の頼みを聞いてくれてありがとう、、、俺が言いたかったのはこれだけだ。じゃあな」

そう言うと、彼は宴会場の喧騒に消えていった。

これでよかったんだ、これで。後悔はない。私はすぐにチリとなって消えてなくなる。それでも、、、

「ああ、やっぱり太陽はいいな、、、」

それが私の最後の言葉だった。


Follow the Shadow 完

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Follow the Shadow ヘルニア @hernia

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ