13. 頼朝、危機一髪
月見の宴はすすみ、
彼女は、
厠の中の
頼朝「にくし… 『し』に、二つの『く』… おっ、これは『水』を表すのかな。『いと』の部分も、唐糸を思い出させる…」
ここまで気づいた頼朝は、さらに考察を進めました。「木曾の」というあたりが、義仲を意味するとしたら…
頼朝は、上着の袖を
唐糸は「はい、ただいま」と言って一歩近づくと、
頼朝「なにをする」
頼朝は、身になんの武器も帯びていません。このままでは命がなかったことでしょう。しかし頼朝は、西行の歌を手がかりに、あらかじめ
頼朝「(大声で)くせ者だ、誰か来い!」
この声を聞いて真っ先に宴席から飛び出したのは、
唐糸は
頼朝はこの唐糸を見下ろしながら、「危ないところだった…
この場に、やっと見回りに出ていた
これを見守って
唐糸はここまで一気にしゃべると、今度は一転して口を閉ざし、それからは何を聞いても一切口をひらきませんでした。
頼朝はこの報告を聞いて、怒るどころか感心しました。「なるほど、敵ながらすさまじい忠義だな。どうも、殺すには忍びない。牢をこしらえて、当分閉じ込めておけ」
重忠もこの意見に賛成でした。「ははっ!」
明け方ごろに、石田を捕らえにいったはずの
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