第11話 青い門の世界

 影の見下ろしていた青い門をくぐった。

 見下ろしていたのは何か理由があるからなのかもしれないと思って青い門をくぐったのだが、青い世界とはどんな世界だろう?

 歪んだ視界が元に戻ると青い空が見えた。

 地面は青みがかった灰色の石でできている。ゴツゴツしていて転んでしまいそうだ。


(なんだろう?潮の香り?)


 海になんていったことなんてないのだけど、潮の香りはなんとなくわかる。

 とりあえず前に進んでみることにする。




 進んだ先に見えたのは海だった。

 私が立つのは岸壁の上で、一面、真っ青な海が覆っている。下を覗き込むと砂浜がある。

 砂浜があるということはなんとかして降りられそうだが、どこから降りればいいのだろうか?


(とりあえず降りられる場所を探してみようか)


 岸壁沿いを歩いてひたすら歩き続けたが、降りられそうな場所は中々見つからない。


(ここは岸壁までしか行けないのか?それとも飛び降りろというのか?)


 しかし、緑の門の世界の女性のように飛び降りたら死を繰り返すことになる可能性がある。そもそも身体能力が低い私にはこんな崖を降りるなんて無理だ。


(そもそも降りられる場所は別の場所なのかもしれない)


 そう思って後ろを見るとかなり遠くまで続いている。

 早々に諦めていれば良かったと後悔する。


 私は海岸に降りるため、歩き始めた。

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