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 私は、生きている。

 不遇な自分と、これから自らに降りかかるであろう不幸に抗うように。



 幼い頃、友人には当たり前のように父親がいた。

 母と祖母の三人で暮らしていた私にとって、その生活はありふれたものだった。しかし、ふとした瞬間に感じる孤独は、幼い少女だった私を飲み込んだ。


 昔は悲しいことがあると、決まって誰かに吐き出していたような気がする。私は、誰に話していたのだろうか。




 父がこの世を去ったのは、私が言葉を覚える前だった。

 父もまた、幼い頃にその父を亡くしたという。






 私はこれからの人生を一人で生きていくと決めていた。








 ある雨の日、一匹の子猫を路地で見た。

 この街には猫が多すぎる。




 その小さな黒猫は、とても一人では生きていけそうになかった。

 この子には、父も母もいないのだろうか。







 ああ、そうだった。








 今度は私があなたの話をきいてあげる。

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昨日の街、明日の猫。 zabu @bsaameto

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