第4話 おじいちゃん達との別れ
お爺ちゃんから引き継がれたこの着物。今までのやさしさや、魂たちへの思いがぎっしりと詰まっていた。お爺ちゃんは忘れてしまったが、俺が忘れずにその思いを引き継ぐ。再び決心した。残りの数日はたくさんの思い出を作る・・・・・・とはいかず、俺は学校へ。お父さんは会社へ。今までと同じ生活であった。これで本当に良かったのかはまだ分からない。それでも、おじいちゃん達の夢はかなったようだ。本当にこのまま別れがきてしまうのかと思うくらい生前と同じ生活をしていた。
そして、お爺ちゃん達が来てから1週間が経ち分かれのときである。
「翔太・・・・・・これが本当に最後のお別れになるよ。これからは自分で道を切り開いていくしかないんだよ。しっかり悩んで、考えて生きるんだよ」
その言葉はお爺ちゃんのことをまるで知っていたように聞こえた。
「うん。ありがとう」
きっとお婆ちゃんはお爺ちゃんのことを知っていたのだろう。全て。
今回は普通に消えるだけのようだ。お爺ちゃんの意思は必ず俺が引き継ぐ。俺が立派になって、年老いて死んだらまた会えるよね。いや、絶対に会うんだ。だから、その時までのお別れだ。また会えるときまでの―――
「それまでは魂を送ることしか出来ないけど。しっかりと自分の役目を全うしたらそっちに行きます」
「翔太、なんか言った?」
「いや、なんでもない!」
これは誰にも知られてはならない。魂をしっかり送り届ける。
あの空の上で(part2) 囲会多マッキー @makky20030217
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます