第11話

茶髪の混じったマスクをつけた女子高生。

ギャルだとかヤンキーだとかに見える。そもそも前提に間違いがあるので、伝える側に問題があるのだが。

そんな彼女は中学2年生だった。

突然俺の通っていた塾に入塾した。ちょっとしたことですぐ笑うような、ツボが浅い女子。何かを抱えているように見えたが俺にはわからなかった。


「めっちゃアオハル見たい!」

突然彼女が言い出した。イケメン俳優と可愛い女優の実写ラブコメだ。興味がないわけじゃないのだが、自分の恋愛と比較してしまいつらくなってしまうだけだ。それが辛く恋愛物語とは距離をとっていたのだが、でもなぜか

「じゃあいく?」

そう声をかけてしまっていた自分がいたのだ。理由はわからない。いや認めたくないだけだろうか。


そんなこんなで、二つ年下の子と映画を見ることになったわけなのだが。

映画自体はやはり自分と比べてしまったが、なんというか久しぶりのデートでとても楽しかった。


帰り際、うまくいったデートに調子に乗って、手を握ろうとした。

正直、ばからしくて詳しく書きたくはない。

ようは勘違いして先走ってドン引きされたのだ。楽しい映画デートは気まずい空気の中、エンディングを迎えたのだ。

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天才が生まれた理由 旅道 @tabimichiSW

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