第10話 終わり良ければ

やあ。旅道徹だ。

今思えば水井が何を意図していたかはわからないし、実際は本当に怒っていたかもしれないのという可能性もないわけではないが、どうしようもない。俺が彼の言っていたことばを鵜呑みにせずまさよに言わなかったら防げた事であり起きなかった事件なのである。

結果的にまさよも俺も、もちろん水井も部活を辞めたりとかはしなかったが、関係に多少のヒビが入ったのは事実だ。

後悔しているかって?正直していない。

お前が何もしなければ何も起きなかったって言われたらそれまでだ。

でも、もし俺が何もせずにまさよが傷ついていたら?水井がもし仮に実行していたら?彼の怒りが本物だとしたら?

そうだとしたらきっとまさよと水井の関係は完全に壊れていただろう。

最終的に俺がただ訳のわからない事をして周りを混乱させた。

旅道徹が悪い。これで物語は終わっているのだ。誰かが他の人を恨む事は防げた訳である。これだけでも十分だった。

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