15

 ベランダへと続く扉は人の存在を感知して口を開けた。瞬間、思わず首をすくめるほど冷たい夜気が皮膚をかすめる。温度変化に疎いシンはけろっとしていたが、一般人である朔夜はそうはいかない。シンをベランダに待機させ、慌てて上着を取りに戻った。


 クローゼットの底に転がった圧縮パックの群れから手近なものをつかみ、解凍する。室内の空気は適度に暖かくて柔らかく、外になど出たくなかったが、またしても事故が起こったら今度こそただではすまないような気がした。それを想像すると出ないわけにもいかず、朔夜は意を決して外へと出た。


 ドアが開くとともに身を切るように冷たい風が室内に吹き込んでくる。それだけで気分は一気に急降下したが、怪我人を外に放り出してその挙句に死んでしまったら立つ瀬がない。寒さに耐えている方が後々ライザー雇いの暗殺者に狙われるよりましだと無理やり奮い立たせた。


 シンはあおぐろい闇の中で動かぬ腕をだらりと垂らしたまま、天を仰いでいた。

 生暖かい風とともに後ろで扉が静かに閉まる。明るい黄色の光が一瞬にして消失し、目の裏に残像がのこった。



「……火星が見たいとかぬかすのかと思った」



 厚ぼったいコートを羽織って出てきた朔夜を見てシンはふっと笑った。暗闇のせいで表情は見えないのに何故か笑ったのがわかった。

 下唇をぐっと噛み、シンの隣に並ぶ。

 吐いた息が綿菓子のようにこごって夜陰に浮かび、霧散するように溶けた。



「火星はこの時間には出ていない。それにおれは一応とはいえ、軍に所属しているんだ。そんな危険発言はしない」



「それ、今更云うの?」



 表情がわからないとはいえ、朔夜にはシンが口を尖らせている姿を容易に想像することが出来た。


 寒空の中、揃って天上を仰ぐ。

 紺色の闇夜に浮かぶ星は大気の揺らぎによって激しいまたたきを見せながら、空を覆い隠していた。幾千億の星々からなる天漢と、遠い昔に人の手で名つけられた星座が全天を彩る。


 朔夜は空を見あげているうちに頭の中にまで星がまたたいているような気分になって目を逸らした。

 空と一体化したような心地のよい酩酊感がうつむいたあとも体内に残っている。朔夜は芯から冷たくなった両手に息を吐きかけながら、隣にいる少年を見た。

 暗闇に目が慣れてきたため、その姿は先程よりもはっきりとしている。


 自分の息で白く染まる視界の向こうでシンはずっと空を見上げていた。



「あんた、星好きなの?」



「うん、綺麗じゃないか」



 シンは機嫌よさそうに破顔すると、再び頭上を仰いだ。



「なあ朔夜、あれはなんていう星だ?」



 シンが指したのは全天でひときわ明るく輝く星だった。

 いつまでこんな寒いところにいる気だと朔夜は目をすがめたが、シンの目は都合の悪いことは映さないらしい。何だ何だと無邪気に訊いてくる。



「シリウス」



「シリウス? 大犬のアルファの?」



「そう――昔はその右ななめ上にベテルギウスって赤い星があって、それと子犬座のプロキオンと結ぶと三角形に見えたらしい」



「なるほど。他には何か知っている雑学はないのか?」



「それから――」



 云いかけて朔夜は止めた。自分が無意識的に空に弧を描いていることに気がついたからだ。



―――朔



 かつて弟と二人、同じように空を見あげていた自分がそこにいた。



―――シリウスとプロキオンを結んで伸ばすと曲線状になるの、分かる? 朔



 こちらを見て微笑む少年の顔は朔夜と寸分違わず同じだ。

 あまりにも似すぎていて鏡を見ているような気分になる。幼いころはわざと互いになりすましていたりしたので境界線はさらに曖昧だった。自分が「朔夜」だとはっきり自覚していないと、一体どちらがどちらなのか判別がつかなくなるくらい。



―――曲線状に二つ星が並んでるでしょ。金色と銀色の星。あれがジェミニだよ



 朔夜は記憶の中の望を振り払うように視線を中天から離した。そして密林のように茂る植物の向こうにある星を見て、口を開いた。



「……今、山の上に柄杓ひしゃくみたいな形をしてるのがあるだろ。それが大熊座。アルファから、ドゥベ、メラク、フェクダ、メグレズ、アリオト、ミザール、アルカイドって名前がついている。そのうちのミザールにはアルコルって星が側にあって……見かけの二連星って呼ばれてる。おれはそんなに視力良くないから一つにしか見えないけど」



「……朔夜って神話のことといい、結構物知りだよな。そんなことどこで知ったんだ?」



 シンは心底感心したような声をあげた。

 記憶の中によみがえってきた望の言葉を口にしているだけなので、褒められてもまるで嬉しくない。



「普通そんなこと知らないぞ。な、他には? 他には?」



 これまでは思い出そうとしても浮かんでこなかったというのに、何かにつけて望の言葉が浮かんでくる。

 無邪気な様子で続きを要求するシンを見て、朔夜は陰鬱な気分になるのを感じた。



 それからしばらく話して部屋に戻った。シリウスは家の影に隠れるほど移動していて、空には先程までは見ることが出来なかった星座が現れている。

 

 体は完全に凍えていて震えが止まらない。設定温度をあげて寝具に包まった朔夜を見て、シンは雪だるまみたいだと笑った。


 むっとして見ると、シンはひどく薄着だった。火星人マーズレイスには冬の寒さは理解出来ないらしい。朔夜は苦々しく思いながら口元にまで寝具を引きあげた。



「なあ」



 声とともにぎしりと寝台がきしんだ。人のベッドに断りもなく腰掛けているらしい。

 朔夜はその行為にむかむかしながら、寝具の中で目をつむり、声を無視した。



「なあってば」



 ゆさゆさと体が揺すられる。



「朔夜」



「うるさい!」



 勢いよく寝具を剥がし、朔夜はベッドの上に腰掛ける少年をキッと睨んだ。



「何なんだよ」



 眉根を寄せて云うと、シンはちょっと顔を曇らせたあと、気を取り直したようににんまり笑った。飴玉のように大きな金色の双眸がいたずらっぽく輝く。何か碌でもないことを思いついたに違いないと、朔夜は再び寝具にくるまり身構えた。



「お前、おれにばれてないと思っているだろう。知ってるんだぞ」



「いきなり……何だよ」



 強気に返そうと思っていたのに口から出たのはなんとも情けない掠れ声だった。シンが口にした「知っている」という一言に動揺したのだ。何を知られたのかはよく分からなかったが、シンの表情は自信に満ちていて決してその言葉が嘘偽りではないということがわかる。



「やっと分かったんだ」



 口元まで寝具で覆う朔夜に、シンはにこりと笑った。



「――お前にとっておれが特別な存在だってこと」



 朔夜は「はぁ?」と思いつつも、何故か云い返すことが出来なかった。

 馬鹿じゃないの、と軽蔑したような視線を投げる。けれどもシンはそれにたじろぎもしなかった。嬉しそうとも取れる顔つきで朔夜ににじり寄り、口を開く。



「――知ってるか? 朔夜。お前、おれにしか怒鳴らないんだぞ」



「……」



「図書館のときも、買い物のときも、さっきも、ずっと思っていたんだ。何で朔夜は怒鳴るときにあんな憎々しげな顔をしているのかって。だって朔夜、他のやつと話してるときは普通の顔してるだろ。おれのときだけだぞ、会話しているだけであんなに嫌そうな顔してるの」



 まずいまずいと思っていても口を挟むことが出来ない。



「でも、分かったんだ」



「……何が」



 にこりと微笑むシンを見て、朔夜は体のありとあらゆる汗腺から汗が滲み出すのを感じた。



「嫌なのはおれじゃなくて自分だったんだろ。他人に対して興味がないって云っているのに感情を動かされたりした自分が嫌だったんだ。だからあんなに怒ったりしたんだろう」



「……」



 だろ、と訊かれても何と答えていいか分からない。

 槍で一突きされたような重い痛みを心臓に感じながら朔夜は脳内が真っ白になるのを感じた。


 何を云っているのやらと呆れたような口調の文章が表層面では作りあげられていたが、それが本心でないことは脳の持ち主たる朔夜自身が一番分かっていた。



 何云ってんの? 自意識過剰なんじゃないの? 人のこと、勝手に分かったような気になってんじゃねーよ。馬鹿?



 脳内では空虚な台詞が急造され、積み重なっていく。

 どうにかして現状を打破しようかとものすごいスピードで考えるその作業もやはり空虚で、空回りしているようにしか思えなかった。


 シンは云うだけ云ってしまうとそれ以上何も発言せず、腰掛けたままの姿勢で足をぶらぶらさせている。


 表層ではシンに対する中傷文章がしつこく流れていて、それに触発されたように苛立ちが脳内を支配し始めた。体が沸騰したように熱くなって、咽喉(のど)がうずうずとし始める。一言でも口にしたら怒涛のように言葉が流れ出し、しまいには感情が制御出来なくなって怒鳴るのは目に見えていたから、朔夜は何も云わないように黙っていた。



 二人とも口を開かないので部屋の中には自然と沈黙に満たされた。ここに来て幾度となく流れた重苦しい雰囲気。しかしこれまでと違って、それはさほど長続きはしなかった。シンが呼びかけてきたからだ。


 震えがくるほど近くで聞こえたその音に朔夜はそっと顔をあげ、想像した以上に間近にいるシンに驚いて体を仰け反らせた。



「……何?」



「あのさ、おれ、お前のこと知りたい」



 いいか、と訊かれて朔夜は面食らった。何を云いたいのかよく分からない。



「……どういうこと?」



 顔を曇らせて反問すると、シンは嫌なら諦めると云いながら腕の端末を開いてチップを取り出した。



「これを解読させて欲しい」



「アルバムを? 何で?」



「ヒイロとミカから聞いた。サーヴァイン・ルパスクはお前の唯一無二の親友で、どこへ行くのも一緒だったってこと。調べれば、どうして映像が隠されていたのかもわかるかもしれない」



「……結局探偵ごっこしたいだけじゃん」



「嫌か?」



 訊かれて朔夜は言葉に詰まった。


 嫌か嫌ではないかということよりも朔夜の脳を占めていたのはサーヴァイン・ルパスクという知らない人間が自分の唯一無二の親友だということの方だった。


 微かに覚えているのならまだいい。けれども本当に何も覚えていなかった。

 まだたった五年しか経っていない。それより前の記憶はあるのに、かつての親友の存在すら覚えていないなんて異常以外の何物でもない。



 朔夜は自分の記憶に欠落があることを突きつけられて絶望的な気分になった。

 それは例えて云うならとてつもなく高いビルの屋上ぎりぎりのところで地面を見下ろしているような感覚で、死を間近にした恐怖があった。


 自分の存在を証明してくれる者が身近にいないということがここまで恐ろしいことなのかと、自然と震えてきた体を抱え込む。


 足元から世界が崩壊していくような気分だった。真っ黒く染まった心は遠く、手を伸ばしても届きそうにない位置にある。朔夜はガラガラと崩れていく世界の破片を必死で拾い集めようとしたが、腕の間からすり抜けていくばかりで少しも手元に残らない。


 焦った分だけ離れていく世界にパニックになっていると、不意に抱き締められた。



「大丈夫」



 耳元をシンの声がかすめる。暖かくてこの上なく苛立たしい音。玻璃の欠片のようにきらきらと光りながら、暗く重たい心の中に沈んでいく。その光は不安と恐怖に侵されて真っ黒に染まっていた内面を照らし、朔夜の中に安らぎをもたらした。黄みがかったふわふわとした泡が胸の内一杯に広がる。


 言葉には表せないその感覚に朔夜はたじろいだ。



「何、す……」



「大丈夫だ」



 宥めるように背中を叩かれて、朔夜は泣きたいような気分になった。


 呼吸もじょじょに落ち着いてきて、体の震えも治まっている。不思議なことにシンに触れられると落ち着いてくるのだ。けれどそんなことを目の前の少年に云えるはずもなかった。


 心のうちを隠すようにシンを突き放すと、視線を逸らし唇を噛んだ。



「……すごいおせっかい。あんた、他の人にもそんななの?」



 するとシンは思いっきり眉根を寄せた。



「そんなわけないだろ。友人のお前だけだ」



「他にもたくさんいるだろ。いつも一緒にいる眼鏡とか」



「ジェシー? ジェシーなら友達じゃないぞ。おれのボディーガードだ」



 シンはわりと重要そうな情報をあっさり暴露した。



「……おれはあんたの名前の由来、取り違えただけだよ」



 疲れたようにつぶやくと、シンは朔夜の顔を見ながら座りなおした。ベッドがギシリときしんだ音を立てた。



「きっかけはそうだ。でもそれだけじゃない」



「他のは?」



「それは秘密だ」



「人の秘密を暴こうとしてんのに、自分は隠すわけ?」



「じゃあ云おうか? 朔夜はおれに興味津々なんだな」



「……やっぱり聞きたくない」



「遠慮するな。大した秘密でもない」



 押し問答を続けたあと、しばらくしてシンは星を見てくると云ってまたベランダに出て行った。

 そのあとをぼんやりと見送りながら朔夜は先程シンに云われたことについて考えた。時間が経ったせいか、苛立ちはあまり感じなかった。


 興味があったのだとは今も認めたくない。


 ドラマの中のエキストラと同じくらいの存在だった他人。見分けもつかなくて、話しかけられて初めて同じように生きていたことが分かるくらい、どうでもいい存在だった他人。けれどシンは初めて会ったときからそういう「他人」ではなかった。


 灰色をした人間の群れの中で、シンだけはいつもモノクロに挿入されたカラー写真のように輝いていた。意識せずにはいられない自分が途方もなく嫌だった。どんなに拒否しようとしてもあらかじめ設定されたことのように頭の中から離れなかった。


 いつのころからか他人を信用しなくなった自分が、無条件であのルームメイトを受け入れようとしているのが朔夜には耐えられなかった。抗って抗って、一時期は自分をそういう気分にさせる根源の排除すら願った。


 でも、もうばれてしまった。これからは隠す必要もない。無理やり無関心を装って、感情を乱されたりすることもないのだ。興味があったことを素直に認めなくてはならない。


 途端に朔夜は酷い吐き気に襲われた。シーツを握る手を離し、口元を覆う。



 出来そうにない。



 カタカタと震える手を見ながら朔夜は溜息をついた。認めることが何故かとても怖い。認めたことで何かが起きるというわけでもないのだが、自分が他人に興味を持つということがこの上なく怖かった。


 朔夜は自らを落ち着かせるように何度か深呼吸をすると、寝具に包まったままのろのろとベランダへ出た。

 現れた朔夜を見て、シンは座った体勢のまま、器用にも肩をすくめた。



「何やってんの?」



「他力をあてにしている」



 ほら、と指差した先にはつい数十分前に見たのと同じような光景が広がっていた。

 赤、青、白、オレンジ。様々な色の細かい粒が電飾のようにまたたいている。紺色の視界一面にびっしりと貼りつけられたそれら一つ一つが太陽のように燃え盛る恒星で、その周りに何千何万という星が巡っているのだと思うと、自分が途方もないほど小さな存在に思えてきて気分が悪くなった。


 ついと目を逸らし、ベランダに座り込む少年に視線をやる。シンは既に引き込まれてしまったようで、唇を薄く開いたままいつまでも空を見ていた。



「他力って……、願いごとでも叶えてもらおうとしてるわけ?」



 朔夜の言葉にシンはふっと顔の向きを変えた。シンの体勢は明らかに願いを叶えてもらいたいようなものではない。眉根を寄せる朔夜にシンは暗がりの中でも判別出来るほどに大きく首肯した。



「そういうの、普通流れ星にするんじゃないの?」



「数秒後に燃えつきるようなものに願かけてどうするんだ」



「燃えつきないものもある」



「そんなの、一部だ。ほとんどは燃えつきる。そんな確率の低いやつに祈るよりも、どうせなら寿命が長い、あと数億年は健在なものに願った方がいいだろ」



「時間がかかるんじゃないの? アルファ・ケンタウリでも四光年以上あるんだから届いてから叶うまで九年はかかる」



「思考が必ずしも光速で伝わるとは限らないだろ」



「まぁ……もっと遅いかもしれない」



「嫌な奴だな。そう思ってなくても速いかもしれないとでも云っておけよ」



 声が低くなるのは顔をひそめたときだ。

 朔夜はシンの表情が容易に想像出来ることにむかつきを覚えた。



「光速を超えても思考は分解されたりしないわけ?」



「知るわけないだろ。移動するしないどころか、思念波の集合体……ガイナス空間だったか? それが立証されてないんだから。自分に都合がいいように考えたほうがいいだろ」



 むきになったように云うシンの言葉を聞き流し、朔夜は身にまとった寝具に顔を埋めた。肌をかすめる夜風が冷た過ぎて痛い。

 早く中に入ってくれと思いながら朔夜は手に息を吐きかけた。



「早く依頼を済ませて中に入ってほしいんだけど。そんな長い願いなわけ?」



「云うわけないだろ。内容は口外すると叶わないっていうし」



「それ夢の間違いじゃないの?」



「そうなのか?」



 何でもいいだろと明るい笑い声を立て、シンは再び星空に目を向けた。


 ベランダにやってきたときには視界は真っ黒に染まっていて物の影も見えないほどだったが、今は薄めた墨をさっと塗りつけたくらいにはよく見えるようになっている。薄墨色の視界は昔使われていたというスターライトスコープの画像に似ていて、わからないということもなかったがわかりやすいというほどでもない曖昧な画面だった。

 ずっと見ていると、何故か胸の奥がざわついた。不安のためか呼吸が荒くなりはじめる。


 朔夜はふりはらうように視線をシンへと戻し、寝具の中で体を動かした。



「……これ」



 朔夜は片方の手で上掛けをつかんだまま、チップを見せた。



「え……いいのか?」



 手の中の物を見て、シンははっとしたように朔夜を見た。


 こんなに暗いのにどうして視認出来るのだろう。


 やはり火星人マーズレイスの視覚は一般人とは異なるものなのだろうか。それともあまりの不摂生な食生活のせいでビタミンが足りなくなっているのだろうか。朔夜は夜盲症の恐れもある自らの眼球を手の甲でこすった。


 シンはアルバムを両手で包み込むように握り、心底嬉しそうな顔をしている。



「ちゃんと返せよ」



「当然だ」



 聞こえているのかも定かではないような浮ついた口調でシンは頷いた。何がそんなに嬉しいのかよく分からない。


 朔夜は冷たい風が流れるベランダでシンの横顔を一瞥し、それから空を見上げた。

 キンと凍った夜天には幾千億の星がまたたいていて、時折その上を流星が駆けていく。


 あの星は自分が忘れている記憶を知っているのだろうか。


 そんなことをふと思った。

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