第38話 七大兵法書のひとつ『司馬法』

『司馬法』は武経七書(七大兵法書)の一つで、田穰苴でんじょうしょが著したといわれています。


 この田穰苴という人物ですが、斉の宰相である晏嬰あんえいに推挙されて景公に仕えました。大司馬(軍事長官)になったことで、氏を「司馬」にあらためます。

 そのため「司馬穰苴」とも呼ばれます。


 田穰苴が有名になったのは、三国志などでもよく出てくる、

「将がひとたび軍をひきいれば、たとえ君主の命令であろうとも聞き入れない」

 という言葉です。

 これは現場の判断のほうが、遠くにいる君主の判断よりも実情を把握しているということでもあります。


 田穰苴は兵士思いであったため、病人までもが出陣したいといい出すほどでした。

 また晋や燕にとられた地をすべてとりかえしたことで、景公から大司馬の位があたえられました。


 しかし斉の豪族である田氏の勢いが強くなると、田氏の妾腹の子であった田穰苴は景公に疎まれ、ついには病死します。


 田氏はやがて斉をのっとり、威王のときに田穰苴が再評価されました。


 田穰苴の兵法が研究され、それによって書かれたのが『司馬法(司馬穰苴兵法)』です。

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