第37話 七大兵法書のひとつ『尉繚子《うつりょうし》』
前回、武経七書(七大兵法書)を紹介したので、そのうちの『
尉繚子は梁の出身で、秦の始皇帝、もしくは梁(魏)の恵王に仕えた兵法家といわれますが、どのような人物であったかは不明です。
また書物自体は後世に改稿が加えられたものともいわれます。
もとは31巻あったようですが、現存するのは24巻です。内容的には政治論や法家の論に近いものがあります。
また『孟子』『孫子』『呉子』『韓非子』などをそのまま引用した部分もあり、これまで後世の偽書とされていました。
しかし山東省で前漢初期の墓から『尉繚子』が出てきたことから、いまでは戦国時代につくられたとされています。
本書では「戦争は避けるべきだが、必要悪でもある」ということが書かれています。
また戦争と政治が綿密に結びついていることや、
「天の好機よりも地の利、地の利よりも人の和」
と、人間本位の現実主義的な内容です。
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