第32話 あまり知られていない三清の一人、太上道君とは?

 前回、最高神である三清の一人、元始天尊げんしてんそんの話をしました。


 おなじく三清の一人である老子(太上老君)の話もすでにしたので、今回は三清の最後の一人である太上道君の話をします。


 太上道君は霊宝天尊れいほうてんそんともいいます。

 フルネームだと「太上玄黄高聖元気所成霊宝天尊上清妙有上帝玉晨大道君」(長い)。


 一般的には他の二人に比べてかなりマイナーな存在で、

「三清のあと一人、だれだったっけ?」

 みたいなあつかいになりがちかと思います。

 ビートルズにおけるジョン・レノン、ポール・マッカートニー、リンゴ・スターと、あと一人の名前が出てこないみたいな感じかと(ファンの方すみません)。


 太上道君は、その名前のとおり、「タオ」を擬人化(神格化)したものです。


 マイナーな理由としては、そもそも元始天尊や老子のようなエピソードがないことでしょうか。


 元始天尊は『封神演義』などの作品でも活躍しますし、老子はもとより知名度があります。

 また道教の廟でも祭られているのは元始天尊や老子で、太上道君はスルーされることが多いです。

「三清」にするため、元始天尊と老子に対し、数合わせに付け加えられたのではないかという気がしないでもありません。


 しかし道教的には重要な神格かと思います。ただ前回も述べたように神仙の設定が作品や宗派によってころころ変わるのは中国の常ですが。

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