第30話 食客とは?

 中国古典でよく出てくる言葉に「食客」があります。


 食客とは、かんたんにいうと「食事をあたえて養っている客」のことです。


 中国の春秋戦国時代において、君主や富豪が、一芸に秀でた者たちを自分の屋敷で養うことをステータスとしていました。

 斉の孟嘗君もうしょうくんなどは三千人もの食客を養っていたといいます。


 食客と使用人との違いですが、食客はあくまで「客」です。

 食事や住処、給料などをあたえてはいますが、客である以上、あれこれと命令したりはしません。


 現在でいうと、才能のある人たちにベーシックインカムをあたえて、好きに生活させている感じでしょうか。


 そのためか、主人に恩を感じる食客は多く、主人が危機にあうと助けてくれたり、主人が殺されると命をかけて復讐したりなどの物語が多く残されています。

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