　なにか失敗があると、人は落ちこむものです。

　人である以上、当たり前のことです。

　とくに一生懸命努力してきたことが駄目になってしまったときなど、そのダメージはかなり大きなもの。

「もうやりたくない」などと思ってしまうのも、仕方のないことかもしれません。

　庶民の哲学書『菜根譚（さいこんたん）』では、このような心理をいかに克服し、普通に生きていくかについてを説いています。

　菜根譚では、

「物事がうまくいって心地よいときほど、いそいで引き返せ。

　物事が失敗したあとは、むしろそこに成功の道筋がある。思い通りにならないときでも、やたらに投げ出すな」

　と説いています。

　成功してもおごらず慎重に。

　失敗しても、それは成功へのもとだから投げ出すな。

　がむしゃらに進むのではなく、平穏な心でいかに淡々と中道を歩むことができるか。

　それこそが普通に生きるということなのでしょう。

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