エピローグ
「今度こそ…みつけた。アダム…」
今思えば彼女の忠告をきちんと聞くべきだった。後悔しても、もう遅い。
「今度こそ君について行くよ。」
「うん たすかる。とりあえず 離脱」
先に行こうとする彼女を背に、僕は静かに眠るルイスが気になってしまった。
流石にこのまま置いていけるわけがない。
それに、この街も…。
「彼 埋葬 しておく 私の友人に それに、この街は大丈夫 この辺に転がってる人たちはだいたいみんなバーチャル 本物は生きている」
「そうか…。ルイスのこと助かるよ。ここで静かに眠らせてあげてほしいんだ。思い出の地だからね。あと、僕だってこの街の者だ。初めからバーチャルだって知っているよ。けれど、いくらバーチャルでも体感する痛みや苦痛は本物と全く一緒だ。僕は償わなくてはならないんだ。」
僕が言うとセレッサは驚いた口調で言ってきた。
「意外 信用 してくれるのね ありがとう」
それは、もう。
僕には今はそれしか信じられるものがないからだ。
そう、心の中で呟いた。
セレッサと下の世界の通路をふたりで歩く。
「目標 決めた?」
目標。ルイスが照らしてくれた光の道。
「ああ。人間とメカニカの共存する世界を作ることだ。」
「いい目標 私達と 同じ」
同じ?セレッサ達も共存を目的としているのか。初耳だ。
「私達はグループ メカニーク・クオーレと言うグループ メカニカと人との共存 目標」
そう…か。
ああ、よかった。やっとみつかった。
僕の居場所が。
地下に流れた雨水が人工的な灯りに照らさせ光り輝く。
光の道を歩く彼の耳には2色のピアスが自慢げに輝いていた。
メカニーク・クオーレ Azu @Azusa_0220
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