進化するネーデルクス

「説明して、ロルフ」

 ヒルダの冷ややかな目がロルフに降り注いでいた。ロルフは困ったような表情を浮かべている。それを輪の外からギルベルトが腕を組み眺めており、カールはずっとうつむいていた。それもこれも全て――

「ベルンハルト殿が没したという情報がアルカスに届いてすぐ、アルカス周辺の師団長以上が集められました。その前に引退する旨を王に伝えられていたバルディアス殿を含めて、三席が空位となったわけです。大将の席が。すぐに次期大将を決めねばなりません」

 そのために師団長以上を集めたのだ。王命により、新たな大将を決めるために。

「多くの議論が交わされました。結果、第一軍大将ヘルベルト、第二軍大将ヤン、第三軍大将がカールとなったわけです」

 言葉足らずな説明を聞いてヒルダが口を開く。

「理解不能。それで何が起きたら、カールが大将に選ばれるのよ? その時点じゃまだ師団長でしょ? カールが議論の端に上ること自体ありえない」

 ヒルダの目は冷ややかなままであった。「ううむ」とうなるロルフは困り顔。

「順当にいけば貴方が第三軍の大将になるはずだ、『鋼鉄』のロルフ殿」

 ギルベルトの目もまた射竦める様なものであった。

「声はかかった。だが、私がガードナーの上に立つことはない。辞退させてもらった」

 本命のロルフが降りたことで大荒れになったことは想像に難くない。我こそはと手を挙げるものもいただろう。何故、そこでカールに白羽の矢が立ったのか。その理由が見えない。

「さまざまな思惑がありました。私がカール・フォン・テイラーに入れたのも一身上の都合のため。つまりはガードナーのために、ですヒルダ様」

 ヒルダに向かい頭を下げるロルフ。数瞬、思惑を察するのに時間を要したヒルダ。その思惑を理解した瞬間、顔を赤らめてロルフを睨みつける。ロルフが「はっは」と笑った瞬間、ヒルダの鉄拳が『鋼鉄』を吹き飛ばした。

「こ、の、大馬鹿! 何ふざけたこと言ってんのよ!?」

「な、何してるんだよヒルダ! この人は第三軍の副将だよ!? すごい上官じゃないか」

「いいのよ。あとあんたはその上なんだからどっしり構えてなさい」

 嫌なことを思い出しカールはしょんぼりした。カールがそれを知って以来、ずっとこの調子なのだ。軍団長に昇進したことすら実感がなかったのに、ドサクサ紛れで軍のトップは出来過ぎである。ふざけていると言っても良い。

「私は私の思惑しか知り得ません。しかし、議論の中で誰が浮かび上がり、消え、候補として残ったのは誰か、それはわかります」

 むくりと起き上がるロルフ。まるでこたえていない様はまさに鋼鉄。

「まず、議論は第三軍の中で誰を挙げるか、そういう形でスタートしました。この時点で当確していたのはヤン・フォン・ゼークトのみ。バルディアス殿の一言で大将になることは確定。否定材料も……ないことはないのですが。かのものは元神童。オストベルグの柱を支えていた副将軍ベルガーを討ち取った実績もありますし、実力は抜けています」

 軍団長の中でヤンが挙がることに不思議はない。過去の実績、現在の実力、間違いなくヤンは頭ひとつふたつ抜けている。

「第三軍で誰がふさわしいか、私は誰もふさわしくないと答えました。現在の第三軍に大将の器はいない。では、他の軍ではどうか……皆の頭には一人の男が浮かんでおりました。ヒルダ様も、浮かんでしまった名があった筈」

 ヒルダは苦虫を噛み潰した風な顔になる。カールの頭にも、そしてヒルダと同じような顔をしているギルベルトの頭にもあった名前。不本意だが、この男以上に文武を修め、軍と政に精通している男もいないだろう。

「ウィリアム・フォン・リウィウス。器は間違いなく大将のもの、実力もある。されど出自が異国、成り上がりも成り上がり。そもそも師団長です。彼を推したくないものが多かったのも事実。それでも、バルディアス殿、エアハルト殿下、二人の有力者が推せば決まりそうな雰囲気もあった。私自身、第三軍以外なら推す気でした。あれは怪物です」

 ロルフはウィリアムが狙い打った策によって、絶望的状況であったネーデルクス方面を持ちこたえさせた一部始終を見ていた。混迷の状況をただ一人だけ予見し、そのために必要な手を打っていたアルカディアでただ一人の怪物。

 ウィリアムがいなければカールらは全滅していたし、ブラウスタットはネーデルクスの手に堕ちていただろう。ただひとりが歴史を変えた。

「成り上がりが上に立つことを嫌ったのか、フェリクス殿下がヘルベルト殿を強く推しました。元々、第一軍副将、実力も悪くない。否定する要素は薄くヘルベルト殿も当確。残る一席、どの軍を指揮するかは横に置き、やはり皆の頭の中にあったのは白騎士」

 特例で上に挙げる。その特別扱いを許してしまえる才覚があった。二段階の昇進、ブラウスタットへ向かう前に昇進させて軍団長、ブラウスタットを守り終えたあとに大将、一応その形で筋は通る。現に同じ状況のカールはそうして大将になったのだ。

「だが、ある御方の一言が、その思考を消し飛ばした。ウィリアムを推すであろう有力者の一人、エアハルト殿下がぽつりとこぼしたのです。カール・フォン・テイラーを推したい、と。皆が仰天したのは言うまでもないでしょう」

 エアハルトの発言にヒルダとギルベルト、推された本人であるカールがあんぐりと口を開いて仰天していた。ロルフも難しい顔をしている。

「理由はわかりません。しかしそうなった以上、ウィリアムと言う選択肢は薄くなります。第二王子が推すどころか対抗をぶちあげた。つまり大将ウィリアムを真っ向から否定したのです。これでは実力を買っている者たちも推し辛くなります」

 エアハルトの剣として動いていたウィリアムを裏切った。エアハルトの発言はそう捉えられても仕方がなかったのだ。だから誰も推せなくなった。ウィリアムがエアハルトの不興を買った風に見えたから。

「そこで出てきたカール殿という選択肢、これが絶妙でした。貴族の中では成り上がりだが、紛れもなくアルカディア生まれで、オスヴァルトの才あふるる次男を従えている。ガードナーの一人娘とも……仲がよい」

 ヒルダの殺気に気圧され、最後の一言は自重したロルフ。

「異国のものをこれ以上成り上がらせたくない者、有能な怪物への嫉妬心を持つ者、さまざまな思惑が絡み合いました。そして多くの支持を、広い支持を得たのがカール殿だったわけです。驚くべきは、ウィリアムが二段階の昇進を提案したこと。自分が追い落とされたにも拘らず、カール殿が大将になることを猛烈に推した一人でもあります」

 ウィリアムが賛成に回った。そのことがカールの大将を決定付けたと言って良い。

「何故、エアハルト殿下がウィリアムではなくカール殿を推したのか、それはわかりません」

 この場に沈黙が下りる。何故、エアハルトがウィリアムを切り捨てるような選択を取ったのか。何故――

「ウィリアムを畏れた、それだけだと思うがね」

 突如、沈黙を割いた中性的な声。ロルフはぎろりと睨みつける。ヒルダは剣に手を当て、ギルベルトはすでに剣を引き抜いていた。カールだけ反応が遅れている。

「ウィリアムがガリアスでどういう誘いを受けたか、それをアルカディアと言う、七王国中堅の第二王子が聞いてどう思ったか、答えなんてすぐ出てしまう。もはや彼はこの国の器に収まらない。そのことが露呈してしまったのだから」

 その中を悠然と余裕まみれで歩くガリアス王位継承権第五位、リディアーヌ・ド・ウルテリオルがこの場に現れた。盗み聞きしていました、面白そうなので出てきました、そのことを隠そうともしない好奇心の奴隷。

「一緒に考えよう。白騎士を畏れる者、白騎士が恐れること、そして白騎士の狙い。たぶんこの状況は、君や今の私が考えるよりもずっと深くに根を張っている。彼の深淵を覗いた私だからわかる。きっと、今が最善なんだよ。あの男にとって」

 恍惚の表情、深く、深く、リディアーヌは白騎士を覗いた。届かぬ深き場所、かの者がいるのはガイウスに近き深み。思考の深さと広さはすでに至高の王に近い。その男が、ただこの状況を招いたわけがない。この状況を想定していないわけがない。

 ならば白騎士にとってこの状況、是か非か、優位か不利か――


     ○


 『黒狼』のヴォルフはネーデルクスのグロリエッテにて茶をシバいていた。相手は『死神』のラインベルカと『蛇蝎』ディエース、そして『太陽騎士』ゴーヴァンというとてつもなく濃い面々。ディエースがべらべらと訛った言葉で話しかけているが、誰も相手にしていない。ヴォルフはラインベルカのおっぱいを凝視していたし、ゴーヴァンは――座りながら寝ていた。暇が過ぎたのだろう。

「あー、皆揃ってるねえ。ようこそ僕の城、これからのネーデルクスの本拠地、『星の離宮』へ。これから皆には何人かと会ってもらう」

 ルドルフの背後には不満たらたらの白のジャクリーヌとその副将、赤のマルサス、黒の副将が連なる。其処に並ぶもの、マルサス以外の表情は不満しかなかった。

「すでにマルサスとヴォルフっちは面識あるよね?」

「ああ、優秀な坊ちゃんだったぜ。あれなら一緒にやってもいい」

 上から目線、発言のヴォルフに対し、ジャクリーヌは眉をひそめた。マルスランの息子であるマルサスに対して思うところがあるわけではない。ただ、三貴士が当確している男に対して明らかに上からきている点が気に喰わなかったのだ。

「俺も、もう少し一緒に戦いたいです。勉強になる」

 マルサスの返し、およそ三貴士らしからぬもの。無論、彼はまだ三貴士ではない。しかしいずれはそうなるのだ。そう育てられているはずである。ならばそれなりの振る舞いと言うものがあるはず。

「マルサス、貴方らしくないですね。相手は所詮傭兵ですよ? もっと毅然とした態度で接すべきでは?」

 あまりにも率直な発言をしたのはジャクリーヌの部下である白の副将、美しきオカマの副将は地味な女性であった。無骨な立ち居振る舞いと地味ながら堅実な戦が持ち味。ジャクリーヌが攻めの槍ならば彼女は守りの槍である。

「アメリア……俺はマルスランの息子だ。あの人と同じ考えを持っている。強きものを尊ぶ心をな。この人は強い。父上や、ジャクリーヌ殿よりも、強いのだ。ゆえに従う」

 アメリアは驚きの目でマルサスを見た。たかが傭兵を測る秤にマルスランやジャクリーヌを出したのだ。三貴士を誇りとし、共にその高みを目指す同士が、である。

「ふーん、そこまで強いとは、思えないけどなって!」

 突如、ルドルフの背後から躍り出る黒の副将、ラインベルカの補佐を勤めるフェンケは剣を引き抜いてそれを黒狼に振るった。突然の出来事にラインベルカの静止は間に合わない。剣を向けられたヴォルフは、それでもラインベルカのおっぱいを凝視し続け――

「別に向かってくるのはいいけど――」

 表情一つ変えず――

「――覚悟はしとけ」

 獰猛なフェンケを止めるほど、膨大な殺意を向けた。『蛇蝎』はニヤニヤと嗤い、『太陽騎士』はぱっちりと目覚める。そして向けられた当の本人は、

「あ、れ、あたし、なんで?」

 漏らしていた。身体は震え、顔は土気色。後一歩踏み込めば死んでいた。狼のテリトリーに入れば、その怒りに触れたなら、容易く殺されてしまう。ラインベルカの狂気、それに耐性があるはずの自分でさえこの様。

「フェンケ、この男は私よりも強いぞ。個で私と競り合い、集で私たちネーデルクスを大きく突き放している。わかるだろう? マルサス、アメリア、フェンケ。此処にいる三人は系統こそ違えど、全員がネーデルクスにはいない化け物だ。我らの歴史が持ち得ないものを持っている」

 ジャクリーヌは知らず槍を探している己が手に気づいた。自身に向けられたわけではない殺気、それでもこの反応をしてしまう。しかもおっぱいを見ると言うふざけた動作の片手間にこれ。ならば戦場ではどれほどのものなのか。

「まあ、別にずっとおるわけやないんやし、気楽にやろーや。僕はこの二人に比べたら化け物やないけど、たぶんこの国が一番欠けとるもんをいっちゃん持っとるはずやよ」

 ディエースは淡白に、かつ自分の強みをちらりと見せる。誰だって内心理解しているネーデルクスの弱み、戦の古さ。対するディエースはガリアスでも有数の戦術家、最新の戦術、その申し子である。ダルタニアンと張り合える数少ない将でもあった。実はこの男こそ今回の目的に一番そぐうものであったのだ。

「俺は育てる気などない。そもそも俺の戦は新しくもなければ面白みもない。至極普通の、真っ当な戦だ。教育先なら他を探せ」

 ゴーヴァンはばっさりと目論見を切り捨てる。教え学ぶことなど己が故郷ガルニアではなかった。ただ先人の背中を見て、数多の戦を経験し、大小百の戦を、九十九の勝利を、一の敗北を経て身に着けたもの。教え方など知り得ない。知る気もない。

「まあまあ、そう言わず。誰も育てて欲しいなんて言ってないよ。ただ、彼らの軍を彼らごと君たち三人に預けるってだけさ。『赤』はそのままヴォルフっちに。『黒』はラインベルカごとゴーヴァンに。そして『白』はジャクリーヌごとディエース君に、全権を委託する」

 ルドルフの発言に、いくら強さを認めてもマルサス以外の拒絶反応は凄まじかった。ジャクリーヌなど自尊心を傷つけられて、いつ暴れ出してもおかしくはない。マルサスとラインベルカ以外はジャクリーヌにつくだろう。

「……そんなに嫌か? 俺なら、もしこんな機会があったら喜んで頭を下げるけどな」

 ヴォルフはこの場で初めておっぱいから視線を外した。一番、この場で拒絶反応を示しているジャクリーヌへと視線を向ける。その目に敵意は浮かんでいない。ただ疑問のみがあった。この話の何処が不満なのかと。

「自分に足りないものを学ぶにゃ、それを持っている人間と一緒に行動するのが一番手っ取り早い。その機会が舞い込んできたんだ。俺なら土下座してでも機会をものにするぜ。何故それを嫌そうな顔をするのか、俺にゃ理解できねえ」

「だから貴方は傭兵で、わたくしたちは貴族なのよ。誇りがあるの」

 ジャクリーヌはヴォルフの発言を否定する。自分たちには矜持があると、そう言った。

「だから弱いんだよテメエらは」

 ヴォルフの発言に激昂しかけるジャクリーヌ。アメリアもまた己が上官の敵意に沿って動こうとする。ヴォルフに刃を向けようと――

「やめろ、この男を怒らせるな。わかんないのアメリア!?」

 それを止めたのはフェンケであった。がたがたと震えるのは対峙するアメリアへの恐怖ではない。それは背後にいるものへの畏怖。ただ一度、視線すら向けられなかった邂逅で理解してしまった彼我の差。あまりにもかけ離れている怪物中の怪物への恐怖。

「綺麗に生きてえなら好きにしろ。でもな、こっから先は化け物じみた奴らが人生懸けてしのぎを削る世界だぜ? 生まれた瞬間から勝者のアポロニアや巨星どもと張り合おうってんだ。テメエら風情に、綺麗に戦って勝てる権利があると思ってんのか? 現時点の俺よりも弱いお前らが、どの口で言ってんだ? 俺には理解できねえ」

 ヴォルフの視線はとことん真摯であった。彼らの勘違いは、きっと一の敗北を知る前の自分と同じであったから。ウィリアムに負け、エル・シドに負け、ようやく掴んだ心境の変化。最も泥にまみれている、気高い男をヴォルフは知っている。

 彼の『白』に比べれば、彼らの『白』はどれほど幼稚か。

「何度も言わねえぞ。俺はこの超天才のヴォルフ・ガンク・ストライダー様でも、泥にまみれなきゃ天には届かないと思ってる。悔しいがこれが現実だ。俺は受け入れたし、俺は先へ進んだがな。だから、俺はまだまだ強くなれる。お前らが抱くそれは、きっと大事なもんなんだろ? でも、強さには不純物だ。俺なら、捨てる」

 お前たちはどうする。ヴォルフの目はそう問いかけていた。

「耳が痛いな」

「せやなあ」

 ゴーヴァンとディエースは自らを嗤う。自分たちから見ればヴォルフとて勝利を約束された才人にしか見えない。才覚だけならば自分たちよりも遥かに優る男が、自分たちよりも泥にまみれる覚悟があった。その差は、かなり大きい。

「貴様は優しいな、黒の狼」

 ラインベルカは素直にヴォルフの言葉に耳を傾けていた。きっと、彼女たちがヴォルフと出会ったように、ヴォルフもまたそういう生き方をしている人間に出会ったのだろう。この感覚はきっと、ヴォルフや自分のような才人には持ち得ないものだから。

 その生き様こそ、美しいのではないかとラインベルカは思う。

「俺たちの勘違いこそ、先人の意思を捻じ曲げていると思う。父上が常に言っていた。昔はこれが最善だった。でも今は違う。俺には昔の最善しか出来ない。だが、お前はそうじゃないだろう? と。何を置いてでも強くあれ、と。強きこそ三貴士だ、と」

 マルサスの、亡きマルスランの言葉。

 ジャクリーヌは静かに眼を瞑った。その言葉を、昔、酒の席で聞いたことがある。当時は嗤って切り捨てた。それは弱気だと言い切った。三貴士はかくあるべきだとつれつれと語り明かした。もう、それを咎めてくれる戦友はいないのだ。

「俺は強くなりたい。未来の三貴士として強くなければならない。やり方は違えど、三貴士を頂点にするため。再び、ネーデルクスを世界に覇する超大国へと導くために」

 ジャクリーヌはそれを語る戦友の置き土産を見つめる。新たな時代が来ていた。自分たちの知らぬ間に、目を背けていた間に、時代はさらにステージを進めたのだ。もはや自分の戦が通じるはずもない。美しくなかったのは自分の方であった。

「いいね、超大国。まあ僕がいるんだし、当然この国はそうなるべきだと思うよ。だから君たちはヴォルフっちたちから全部吸収して来い。僕が彼らを金で繋ぎ止めている間、君たちは学べ。そしてこの国に還元しろ。そうして初めてこの国は生まれ変わる」

 ルドルフも変わった。ハースブルクの外に出ることもなかった神の子。天運をもてあましていたあの頃の少年はいない。フランデレンに出向き、ウェルキンゲトリクスと邂逅し、王会議で数多の怪物と触れ合った。

「アルカディアも、ガリアスも、全部追い落としてネーデルクスが覇国となる! 僕が指し示す。君たちの使命はそこに道を作ることだ。さあ、進化を始めよう!」

 次はこの国が変わる番である。

 ネーデルクスが進化する。遅ればせながら、世界の速度に追いつこうと、追い抜こうと、走り始めた。泥にまみれることをいとわず。

 忘れてはならない。かの国は元とはいえ超大国であった。それだけのポテンシャルは存在する。進化が始まる。すでに意識は進化した。あとは曲げず進むだけ。

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