王会議:白騎士対黒狼

「はい出所おめでとー。あ、スート揃いで」

「……全員からどんだけ毟りゃあ気が済むんだよ、このお坊ちゃんは」

 辟易した顔でカードを投げ捨てるヴォルフ。神の子の異常性を知らなかったカールとエルンストはものの見事に毟り取られてしくしく泣きべそをかく。背後でストラクレスがめらめらと復讐の炎を燃やしているが、おそらくカード勝負では巨星とて――

「じゃあ最後に景気よく、どっかーん」

「……おお、私も自信があったのだが、これはやられた」

「最強の札かよ。どんだけ確率ってもんを無視すんだって話だぜ」

「いいさ、今日をしのげたのなら、これ以上は欲をかかん」

 ウィリアムは笑った。何処となく以前とは違う雰囲気に、ルドルフたちはあの時感じた遠大なる雰囲気を思い浮かべる。ルドルフが出所祝いのレクリエーションでカードを選んだのも、彼がどう変わったのかを見てみたかったから。今のところ大きな変化はないが。

「で、こっからお店へゴーでしょヴォルフっち」

「ん、ちょっと野暮用があるんで、また今度な」

「えっ!?」

 ルドルフの瞳に裏切られたことへの悲しみが浮かぶ。

「ちょっとしたレクリエーションさ、なあ」

「……ああ」

 ヴォルフとウィリアムの視線が絡み合う。


     ○


 王会議中、良くも悪くも目立った二人の新星。混迷の中心たるであろう二人が、ウルテリオルの外、小高い丘の上に立っていた。

 双方自然体にて立つ。その手に握られているのは剣。

「今日が最終日だ。得られるもんは全部喰ったかよ?」

「愚問だな。俺に無駄はない。この二週間、最善を尽くした」

 まだ天も白み始めたばかり。日すら昇っていない。吐く息は白く、しかして双方とも体の状態に硬さはない。早朝の寒気程度が影響を与える次元に二人はいないのだ。

「ほんとにな。二週間アホ面してテメエについて回ったがよ……イカれてると思ったぜ。メシひとつとっても好きなものじゃなくて、どう効率よく栄養を補給して体を作るか、それだけで、目的以外の要素は度外視だ。目的に対する徹底した行動がやべえ。普通じゃねえよ、テメエはよ」

 黒の狼はプライドを捨ててこの二週間白の騎士について回った。そして知ったのだ。白の騎士がどれほどの努力を積んでいたか。

「努力が習慣になった。習慣が生き方になった。生き方が人生になった。テメエという凡才をそこまで高めた執念、俺ァテメエが大概嫌いだけどよ、そこだけは敬意に値する。テメエはすげえよ。だから、これは礼だ」

 ヴォルフは牙をむいた。桁外れの殺気が満ちる。頭の浮かべるイメージは果て無き大地、そこを疾駆する己。何処までも駆けんとする黒の狼。

「礼が剣かよ」

「不服か?」

「いや、貴様にしては悪くない趣向だ」

 ウィリアムもまた体の隅々にまで殺気を充満させる。頭に浮かべるイメージは底なしの業、その果てに向かい邁進する己。何処までも伸びようとする業の塔。

「今の俺を、試させてもらうぞ!」

「ああ、俺もさ!」

 白と黒がまたも交わる。此処より始まる時代を予感させる激突。剣の衝突に木々が揺れる。足元の草花が吹き散る。鋼の間で飛び散る火花。

「まずは四割、まだまだトべるぜ、俺ァよ」

「堕ちろ、底まで!」

 幾度も舞う火花、そのたびに空気が震える。ウルテリオルの中では出せなかった互いの本領、本性、剥き出しの牙が踊る。片や型に則った剣、片や型無き剣。どちらが優れているわけでもない。どちらも優れているのだ。

 傑物同士、最後の仕上げに入る。


     ○


「く、こ、のォ!」

 ヴォルフの蹴りをウィリアムは上体をそらしてかわす。そのまま下から潜り込むように刃を振るった。その動きは型破り、型という鞘から抜かれた一筋の白刃。

「や、べ、死ぬ!?」

 ヴォルフは恥も外聞も無く思いっきり後ろに跳ぶ。刃からは逃れるも着地ができるような体勢ではなく着地と同時に地面に転がった。土まみれになるヴォルフ。それを睥睨するウィリアム。ヴォルフは嗤った。

「くぅ、たまんねえな。四割五分でも勝てねえ。テメエは俺より相当先を行ってやがる」

 ヴォルフは眼をつぶり、こめかみを柄でえぐるように抑える。勝負の最中、閉じられた眼を前にウィリアムは動けなかった。おそらく此処までが冬を越える前のヴォルフ。そして此処からがエル・シドの引力から逃れ、英雄王に鍛えられた、冬を超えた今のヴォルフ。

「ほんと、たいしたもんだ。俺ァ、英雄王って手本がいた。英雄王の助言があった。テメエはここまで一人で来たんだろ? 尊敬が弾けるぜ、ウィリアム・リウィウス!」

 ヴォルフが眼を見開いた。その瞳は猛禽のそれ。動物の凶暴性、人間の残忍さと理性を合わせ持つ怪物。文句なしに強い。そして――

「五割トんで六割だ。此処が今の俺の最高潮、見えたぜ、白騎士ィ!」

 ウィリアムの深みにまで追いついてきた。ガリアスの才媛やエスタードの秘蔵っ子ですら到達できなかった深み、その一歩手前まで男は至る。つまりは――

「それでも先を行くのはテメエだ。だがな――」

 ヴォルフの加速は二足歩行の生物を超えていた。四足歩行のごとし加速、そして鎧を纏いながらの軽業を容易くこなす膂力、そしてその加速と膂力が合わさった牙の味は、

「く、そ、が!?」

 ウィリアムを吹き飛ばすものであった。追撃も早い。ゼロから最高速までの動きが人間のそれではないのだ。それはヴォルフの努力、そして圧倒的才能が可能にする動き。

「――俺は、テメエより天才なんだよ」

 とてつもない速さと力。これはヴォルフがもともと積み上げてきたもの。ウェルキンゲトリクスが与えたのは気付きでしかない。いずれ手に入れていた力、放っておいても数年経てば身に着けていただろう。それが早まっただけ。

「まだ、堕ちるぞ俺はァァァアア!」

 さらに堕ちる白の怪物。涎を垂らし、眼光はヴォルフより遥かにぎらついている。殺意に満ち溢れ、欲望の海にとらわれている。それが強さ、この男の持つ底知れぬ欲望こそ白騎士の根源。アルの頃見ていた貧民街から見る王宮の姿、愛に満たされる道を奪われて、幼少の頃抱いていた何かが増殖した。

 途方も無い速度で膨張する中身。満たせど満たせどそれが埋まることは無い。虚無、それこそが強さ。何人も立ち入れぬ孤高の世界。焼きつきし憧れに手を伸ばす。幼少の頃抱いていた憧憬は形を変えて――その膨大な熱量と共に全てが反転する。

「俺は、すべてを手に入れる。それが俺だ!」

 虚ろなる怪物の突貫。それをヴォルフは受け止める。

 弾ける衝撃は開幕の比ではない。互いの咆哮が世界に満ちる。爆ぜる火花が彼らを彩る。赤のルビーと金のロケットがその中間に揺れていた。人を殺して奪った白の剣、人を超えるために得た双剣。

 どちらも始まりは喪失であった。ゆえに彼らは貪欲なのだ。彼らの中に空いた虚無こそ二人の原動力。人は満たされた瞬間終わりを告げる。どれだけ小さな幸せであっても、満たされたならばその先は無いのだ。それこそ幸福なのだろう。人の到達点なのだろう。

 今のところ二人は満たされていなかった。力を手に入れ、世界から認められ、金も女も不足しない。それでもなお渇いて仕方が無いのだ。

 二人の『人間』が吼える。


     ○


 アポロニアはトゥラーンの一室からそれを見ていた。見えているわけではない。しかし炎は間違いなく燃えている。その炎の中心に己がいないことを口惜しく思う。されどこれは白騎士と黒狼なりのけじめなのだろう。この二週間だけでも色々あった。アポロニアの知る限りでも二人は互いへの理解を深めていたように見えた。

 ゆえの決闘。これから先、彼らが友人のように同じ街を歩くことは無い。肩を並べて戦うこともおそらくはないだろう。本当の開幕、自分を知り、世界を知り、ようやく互いがスタート地点に着いた。

 そして今、彼らは示し合わせたようにスタートを切る。

「さて、姫君よ。貴殿の覚悟の程は如何に?」

 アポロニアは背後に立つサンバルトの姫君に言葉を投げかける。

「為すがままに。されど、サンバルトは滅びません。いつか真の王が立ちます。私はそれが来るときまで、貴女に利用されてでも国を守ります」

 アポロニアは「くく」と笑う。狼と再会するまでの姫君とは人物が違った。一度は裏切った国の姫を受け入れた男の度量、それによって地獄を見たにもかかわらず、おそらく男は許したのだろう。それどころか希望すら抱かせた。

「結構、ではしばし観戦するとしよう。もうすぐ夜明けだ」

 アポロニアは視線を上にやった。自室の上、屋根に腰掛ける気配の主は勝負が始まる前からそこにいた。白騎士に挑み盛大に敗れてから彼は変わった。仮面を脱ぎ捨て、大嫌いであった己が顔を露出し、アポロニアとも会話をするようになったのだ。

 強きを気取る弱さが消えた。

「ふむ、我が陣営ながら隙が無いな。制覇させてもらうぞ、ローレンシア!」

 覇王の卵は世界に向かい宣言する。屋根の上の新鋭、隣の部屋で控える英傑、ガルニアには才人が多くいた。それを率いて世界に挑戦できる幸運をアポロニアは感謝する。父王の時代よりも輝かねばならない。今度こそ――


     ○


 エルンストは胸騒ぎがしてベッドから這い出た。いつも一緒に寝ているエィヴィングの姿が無いことに驚き、周囲を見渡す。机の下、毛布に包まり震えている弟を見つけてエルンストは絶句する。

「どうしたのエィヴィング、何かあったのかい?」

 エルンストの優しい言葉。しかしエィヴィングは首を振るだけ。

「いったい、何でエィヴィングが……何が起こっているんだ?」

 確かに嫌な感覚が肌にこびりついて離れない。起きる前から感じていた、悪寒と同じものを兄弟であるエィヴィングも感じているのかもしれない。

 エルンストは何を言わずエィヴィングを抱きしめてあげる。そういえばエィヴィングはこの会議中、一度も白騎士や黒狼、騎士女王らに近づこうともしなかった。カールや自分と一緒にいる時以外、ずっと元気が無かったように見えた。獣に育まれた少年は彼らとは別の何かを感じていたのかもしれない。

 彼らに何を感じているのか、兄弟であるエルンストでもわからない。でも、エルンストもほんの少しだけ感じていた。彼ら秩序の破壊者、それが自分たちに並び立つ気持ち悪さを。

「大丈夫だよエィヴィング。僕たちにはストラクレスがついているんだ」

 誰にも負けない忠義の巨星。ゆえにオストベルグに負けは無い。エルンストはそれを疑うことすらなかった。彼は時代の波を感じ取れていなかったのだ。

 否、感じ取りながらもそれを拒絶していたというほうが正しい。その歪みが、世界に新たなる火種を生むことを、まだ誰も知らない。


     ○


 トゥラーンの中庭には二つの人影があった。

「ウェルキン、話がある」

 圧倒的巨躯の怪物、『烈日』のエル・シド・カンペアドール。対するは――

「大方予想はついている。……かの烈日も当てられたか」

 見通されたことに苛立ちを募らせながら、エル・シドは口を開いた。


     ○


 青貴子、ルドルフ・レ・ハースブルクは窓際で牙を剥くラインベルカの気配で起きた。そしてそれが睨む方向を見て状況を察する。めくれた毛布をぐるぐるに纏い――

「馬鹿のじゃれ合いには興味は無いよ。とりあえず、約束は守ってちょーだいねヴォルフっち」

 すぐさま寝付く。


     ○


 トゥラーンが睥睨する丘で繰り広げられる闘争。見ているものは見ていた。感じているものは感じていた。これより秩序の崩壊が始まるのだ。この会議中、誰もが口に出さなかった次回開催場所。決めたところで、その国が四年後まで残っている保障は何処にも無い。次回に自国が参加できるかもわからないのだ。

 混迷の時代、それを切り開くのは――

「またこの構図だな、白騎士ィ!」

 息を切らせながらヴォルフは高らかに勝利を宣言する。木の幹に倒れこみのど元に刃を突きつけられているウィリアムは悔しそうに唇をかんだ。剣で勝利したヴォルフの情けで生き延びる。変わらぬ力の差。

「は、は、くそ、ちーっとばかり無理しすぎた」

 木にもたれかかるウィリアムと同様に地面にひざをつくヴォルフ。まだ意識してリミッターを外せるようになって日が浅い。しかも今回出した六割はウェルキンゲトリクスから一本取った限界中の限界。最初に引き出した時は一日寝込み、その後三日間体の節々に痛みが走ったほどである。

「止めを刺さないアピールか?」

「馬鹿言え。刺そうと思ったら腰が抜けたんだよ」

 二人は目を合わせず空を見上げた。いつの間にか日は昇っている。突き抜けるような青空は、幾分気分高揚させた。雲ひとつ無い晴天、今日はいい日だと無条件で信じてしまいそうである。

「まあ、今日くらい勝たせろよ。この二週間、テメエには後れを取りっぱなしだったんだ。ほんと参るぜ。天才無敵、ついでに努力家だって自負してたのによ、努力に関しては何から何まで質が違った。巨星に負けてなお甘い俺が嫌になっちまうほどにさ」

 ヴォルフはただウィリアムについて回ったわけではない。ウィリアムについて回り相手を観察するのが己へのプラスになると考えての行動であったのだ。そうして観察する中で、ウィリアム自身努力とすら思っていない生き方に感銘を受ける自分がいた。そのことにあせりを浮かべる自分もいた。

「ふざけろ。そこまでやっても勝てないのが俺だ。俺の……弱さだ」

 ウィリアムもまたこの二週間、周りとの才覚の差に焦りを覚えていた。才人集いしウルテリオル、その中で自分は決して恵まれていたほうではなかった。努力によってその差を埋めてきた。しかし彼らが己と同じ生き方をしたならば――

「安心しろよ。テメエのそれは才能だ。真似しようとして真似できるほど軽いもんじゃねえよ。少なくとも俺にはできねえ」

 その言葉にウィリアムは少しだけ救われる。黒狼という男は決して怠惰な男ではない。才能と努力、そのバランスに秀でた才人である。ちょうどアポロニアとウィリアムを足して割り、ほんの少しだけ全体を底上げしたような、そういう男である。

「ま、お互いもちっと強くならねえとな。まだまだ巨星にゃ及ばねえ」

「同感だ。今の俺では話にならん。山犬ごときに後れを取っているようではな」

「……ほんっと余計な一言が多いなおい」

 ヴォルフは剣を鞘に収めながら「よっこらせ」と立ち上がる。地力はやはりヴォルフが上、ウィリアムはまだ立ち上がることすら適わない。

「一個だけアドバイスだ。わかってると思うけど、テメエは俺より先んじている。俺が最高六割なら、テメエは全力で七割近く出てるんじゃねーか」

「感覚を割合で表そうというのが間違っている気もするがな。あやふやなものに数字を使って欲しくない。数字ってのは揺らがないから数字足り得るんだよ」

「はン、インテリぶりやがって。とにかく、一割差で俺より劣るって事実は頭に入れておいたほうがいいぜ。そこは生まれ持った肉体の差、仕方が無いっちゃ仕方が無いけどよ」

(そりゃあテメエの欲目だよ。俺かりゃすりゃあ、一割差じゃきかねえっての。それも現段階で、だ。この先、それは開く一方さ。まあ、ただの勘だが)

 ウィリアムは押し黙る。ヴォルフもまたこの話題ではウィリアムに視線を合わせるようなことはしない。繊細な問題なのだ。本来ウィリアムの才覚で此処までこれたことが奇跡に近い。ヴォルフやアポロニアのような天才の領域に足を踏み込んでいるのがおかしいのだ。鋼の努力の集積も、肉の体である以上限界はある。

「こっからの戦場は腕っ節よりも頭の強さになってくる。そこはテメエが上だろう、ほんのちょっぴりな。ま、俺はどこまでいってもテメエが一番厄介な敵だと思っているぜ」

 その慰めがウィリアムには痛い。強さでは、絶対に追いつけないと言われているようなもの。此処から先の領域は選ばれしものの領域、お前の立ち入っていい世界ではない。ウィリアムにはそう聞こえた。そしてそれが無性に悔しかった。

「……俺は、どうしたら強くなると思う?」

 ウィリアムはぽつりとこぼす。歩き去ろうとするヴォルフはぴたりと立ち止まった。ヴォルフは顔をゆがめる。口を開いて、閉じて、口を開こうとして、また閉じる。言っていいのか、言うべきでないのか、理性と本能が言うなと叫ぶ。だが、ヴォルフの中にある何かが言わねば後悔するとささやいてくる。

 もし、この先にウィリアムが至れるとしたら、英雄王ですら不可能であった十割の壁を、超えるとしたら、それは人を、どちらに転んでも完全に超越せねばならない。一切の妥協無く、何ひとつの例外すら許さず、己が覇道のみを歩む怪物。

「……斬り捨てろよ。テメエが一番わかってるんじゃねえか?」

 ヴォルフはそう言い放ってしまったことを後悔する。ウィリアムの中には天地高くそびえる業の塔がある。しかしそれは磐石ではない。以前のウィリアムよりもスケールは肥大化しているが、それと同時に危うさも肥大化しつつあった。徹し切れていない。あの一件を経てかなり変化したが、まだ完全な状態ではなかった。

 その原因をヴォルフは知らないが――

(阿呆か俺は。それを斬り捨てたら、そいつは本当に『人』じゃなくなる)

 それがウィリアムという怪物をかろうじて人間に繋ぎ止めてくれているのだ。これを自らの手で切り捨てられたならば、それは間違いなく異形の怪物となるだろう。それは失えば人間をやめてしまうほどに、人にとって最も重要な、それの名は――

「俺なら斬り捨てないけどな。俺はそれすらも抱えて天を掴んでやる。じゃあな、次に会うときは戦場だぜ」

 ヴォルフは去っていく。その背をよどんだ瞳で見つめるウィリアム。わかっていた。

(お前は、それを背負っても先へ行けるだろうよ。でもな、俺には、そうするだけの才能が無いんだ。今日はっきりした。俺が先へ進むためには――)

 わかっていたのだ。ずっと前から。それをしなかった己の弱さをかみ締め、これから成すべきことを考える度生まれる、胸を掻き毟りたくなる衝動を必死に抑えていた。

 嗚呼、やはり自分は弱く。そして世界は優しくできていない。

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