Last

 自分の部屋に居るのに、あのおじいさんが椅子に座っていた。

 「おい小僧…あの女に、何、言われた?」

 一体、何を言ってる?お前が俺を狂わせたんだろ?

 「何を言ってる。お前が俺を狂わせたんだろ。」

 「ちっ!小僧め!もうちょっとでお前は私が理想とした人間に成り得たのに!」

 俺を道具としたのか?俺の時間を返せ!俺のサユリを返せ!

 「俺を道具としたのか。俺の時間を返せ。俺のサユリを返せ。」

 「ふざけるな!お前が自分で願ったんだろ!」

 違う!未来を狂わせたかったんじゃない!変えたかったんだ!

 「違う。未来を狂わせたかったんじゃない。変えたかったんだ。」

 「もう一度、やり直そう。」

 そう言われ、切符を差し出した。

 もう、うんざりだ!

 俺はその手を払いのけ、ベッドに転がったナイフを勢いよく掴んで、首にかけた。

 「よせ!やめろ!」

 「もう!遅いっ!」

 俺は自分の首を勢いよく切ってやった。






-End-


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すれ違い ~サユリ~ 辛口聖希 @wordword

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