敬太郎君の裏切り者~っ!!
「船内はちょっとした街みたいな感じで、お店とか色々あるのね。アトラクションも沢山あるし、毎日色々なショーをやってるし、プールとかフィットネス施設まであるし。まあスゴいよ~。一週間乗ってたけど、全然飽きないね」
ほぉ~~~~。
豪華客船クルージング、いいなあ。あたしもいつか、乗ってみたい。……
「スケジュールは一週間。途中で沖縄とか台湾とか、上海に寄港するのね。で、半日ばかし船から下りて観光出来るんだけど、とにかく暑くて疲れるから、あたしはほとんど下船しなかった(笑) 台湾をちょっと、二時間位見て回っただけ。でもホント、楽しかったよ~」
「一週間で、お金は幾ら位かかるの?」
「二〇万円弱位かな~。でもタイミング良く予約すれば、一〇万円程度らしいよ。敬太郎君も雄治君も沢山食べる方だから、安くでチケット買えたらお奨めかも」
智ちゃんはスマートフォンを取り出し、色々と食事の写真を見せてくれた。バイキングもあるし、それ以外も一食と言わず二食でも三食でもオーダーし放題なんだとか。スゴいね。――
「というわけで、あたしも色々楽しんできたし、紗耶香ちゃんと雄治君もお楽しみだったみたいだけど、敬太郎君は?」
「うん。オレも色々あった」
敬太郎君がニヤニヤしつつ、言う。
「家庭教師で三人、受け持ってるっちゃけどね。一人が高三の受験生やから、かなり時間を取られて仕事三昧やった」
「それは大変だね……」
「その受験生っちゅうのが、良い所お嬢様なんだけどね。丁度雰囲気的には智美ちゃんみたいな、凄くカワイい
「おおっ。ズリいぞ!!」
雄治がチャチャを入れる。
「両親に気に入られて、結構信頼されちょるよ。で、何故か本人にも気に入られてて、この前
マジ!?
三人が驚きの声を上げる。そして冷やかす。
敬太郎君は頬を緩ませつつ、グイっとビールを飲み干す。
「なにそれ~っ。敬太郎君の裏切り者~っ!!」
智ちゃんが、ぷっと膨れる。いや、本気なのか演技なのか、よく判らないけど。
「よし。そんじゃ智ちゃんは
と、雄治。おい、ちょっと待て!! この浮気者(怒)
あたしは雄治の足を、軽く蹴り飛ばす。雄治は笑いつつ、
「バ~カ、冗談やろ。
と、いきなり言い出す。
「ヒュ~~っ。アツいねぇ、おふたりさん」
と、智ちゃんと敬太郎君に散々からかわれ、あたしは赤くなる。
「そっか……。あたしもそろそろ、どっかで彼氏見つけて来よ~っと」
智ちゃんカワイいから、男なんか幾らでも掴まえられるでしょ。
「やっぱ趣味の合う人がいいよね。ネット上だとそこそこ見かけるけれど、リアルでは全然見当たらないんだよなぁ~」
なるほどね。そういうものかも。
田舎は人も少ないし出会いの機会に恵まれないからなあ。……
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