後は紗耶香と雄治のおふたりさんに任せた

「まあ、智ちゃんの彼氏については、俺達も協力しよう。それはそうとWebサイトの方やけど……」

 敬太郎君がご飯に宮崎牛を乗せ、口にかき込みつつ言う。


「ページが半分ばかし出来上がっちょるなら、順次公開作業をやっていこう。雄治は智ちゃんからさっきのミスコン動画データを貰って、動画サイトにアップしてくれ。あと、アクセス増対策な」

「おう。手は、色々と調べちょる」

 雄治が焼酎を煽りつつ、応える。


「雄治の指摘はスゴいな。邪馬台国宮崎説が説得力を得るためには、考古学的成果と歴史観……か。マジでそン通りやなあ」

「じゃっどじゃっど~」

「そこを踏まえて、文章構成を整えよる。宮崎説がしっくり来るのは、確かにそのせいやろな。弥生期~古墳時代の遺物はふんだんに見つかっちょるし、雄治の歴史観もきっちり筋が通っちょる。だからみんな、直感的に『宮崎で決まりやろ』っちおもたっちゃろな」


 四人で暫く、Webサイト公開の段取りを詰めた。

 風習、文化面の分析が不足している、というのが敬太郎君の意見だが、これは昨年敬太郎君が調べた事を流用し、雄治の描く歴史観と擦り合わせる形で文章構成する……と決まった。


「紗耶香はもう少しちょい、卑弥呼様から色々聞き出してくれ」

 と、敬太郎君から要望が出た。あたしは真っ赤になり俯いた。だって、雄治には卑弥呼様降臨メソッドがバレてるもんね(滝汗) 敬太郎君と智ちゃんにも、何となくえっちなメソッドだって薄々バレちゃってるし。


「おっしゃ。後は紗耶香と雄治のおふたりに任せた。雄治が色々、卑弥呼様に聞き出してくれ」

「うん。じゃあ、あたし達はおふたりさんのお邪魔しちゃダメだよね。さっさと退散しようよ」


 智ちゃんが敬太郎君の背中を押しながら、そそくさと引き上げてしまった。そういう感じで気を利かされちゃうと、すっごく恥ずかしいんだけど。……

 ってかあたしは、これからまた雄治の前でひとり……アレしなきゃいけないの!? もうイヤ!!(号泣) 雄治が目をキラキラ輝かせながら、あたしを見てるじゃん。


 ワイングラスを二つだけ残し、鍋と食器を片付ける。それからラブソファーに雄治と並んで腰掛けた。


 雄治はあたしの手を取って彼の背中に回し、彼の手はあたしの肩を抱く。ふたり、密着。

 雄治はワインを一口含み、あたしに口づけしつつ流し込んで来た。そしてバードキスから始まり、次第に濃厚なキスへと変化する。あたしは早くも、どことは明かせないけどグッショリ状態ヘビーウェットコンディションに……。

 雄治はあちこち、あたしの体を巧みに撫で回す。あたしの体は完全にスイッチが入ってしまい、もうガマン出来ない(恥)


「さあ、あとはひとりでやるんやぞ」

 と、雄治に耳元で囁かれる。

 あたしの体から、ちょっと恥ずかしいニオイが微かに漂い始める。ああ~っ、お願いだからシャワーだけでも浴びさせて……(赤面)

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