まだまだセクシー度をアップさせたいよね……
髪の切り屑だらけの新聞紙を片付け、三人がチョイスした服に着替えると、撮影会が始まった。
バストショットやフルショットを、一眼レフデジカメでパシャパシャと写される。数十枚撮影したところで、智ちゃんがPCを起動しデータを取り込む。
え!? これが、あたし?
自分でも意外な程、若々しいセクシー美女の写真が、モニター上に並んでいた。
(ひゃぁ~、あたしもちゃんとメイクすれば、ここまで化けるんだ……)
女子六人がワイワイ大騒ぎしつつ、ミスコンエントリー用の写真をピックアップする。それを智ちゃんが、画像修正ツールでちょちょっと色調補正する。
「ほらね。紗耶香ちゃん、スゴいでしょ!? 絶対ミスコン優勝出来るよ」
と、得意そうに言う。他の四人がうんうんと頷く。
メイク道具や撮影機材を片付ける。あたしも元のTシャツとジーンズに着替え、飲み会続行。――
「セクシー路線で良いよね」
と、服飾の学校に通っている京子が言う。
「うん」
傍らのPCモニターに映ったあたしの写真を眺めつつ、智ちゃんが頷く。
「セクシー路線一択だよね。ボン・キュッ・ボンに、スラリと長い脚。このヒールはちょい低めだけど、もう少し高いヒールだともっとカッコいい筈だよ。これでステージに立ったら、絶対映えるってば」
「メイクも、そんなに濃くしてないよ。それでもこんだけ目鼻がハッキリしてるもんね」
そうか……。ちゃんとした格好での写真をあらためて見せられると、さすがに自分でもイイ女だと認めざるを得ないよ。あははは(照)
「というわけで、本番メイクと髪は、ゆっこちゃんと奈美ちゃんにお願いするね」
「うん。任せて~」
「で、服は京子ちゃん達二人にお願いして、大丈夫?」
「いいよ~」
「費用はどのくらいかかる? あたしが持つから」
「生地代とかは、かかんないよ。オフレコだけど学校の生地を持ち出せるから。勉強用だって申請すれば、自由に使えるの」
「にゃるほど~。まあ四人共、何か費用がかかる時は、あたしに相談してね」
え!? いいの?
「それじゃ智ちゃんに悪いじゃん……」
「いやいや、いいよ。大丈夫。あたしは幸い、お小遣いに困ってないから~。ただし紗耶香ちゃんは、水着代だけ自腹切ってよ」
まあ、そのくらいなら、お父さん達に相談すれば何とかなるよね。――
その後あたしの採寸を行い、改めて女子談義に花が咲く。
「ミスコン前に、ポーズとか歩き方を研究しようよ」
「うん。そうだね」
「あとさあ、まだまだセクシー度をアップさせたいよね……」
「どうやって?」
「例えば……紗耶香ちゃん、さっさと彼氏作って抱かれてみる、とか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます