大陸は広大じゃが、大半はスカスカじゃ
「では、
「よく分からぬが、それもおそらくその辺じゃ。肥の国の一部ぞ。『
「そうですか……」
「我らと魏の連中では、『国』の意味合いが異なるようじゃの。我らが集落と呼んでおる規模も、
ほう。――
つまり伊都国こと「
そう想像した途端、卑弥呼様は、
「そうじゃ」
と頷いた。やはりあたしと卑弥呼様の思念は、テレパシックに繋がっているようである。
「大陸は広大じゃが、大半はスカスカじゃ。盗賊が
「なるほど……」
あたしは、過去に映画か何かで
中国と言えば、あたし達は人口十数億の巨大国家を想像してしまう。しかし古代の大陸王朝は盗賊がはびこり治安が悪く、数キロないし十数キロの城壁で囲まれたエリアのみが、人々の居住区域として成り立っているらしい。
つまり大陸王朝の実態は、国土面積こそ広大だが、人口も国力もそれほど大したレベルではなかったのかもしれない。その実勢は、面ではなく点の寄せ集めに過ぎないのである。
(だから王朝交代が、あっという間に進行しちゃうのか……。何十年もかかりそうに感じるけど、そんなことなかったっぽいよね。せいぜい数年とか……)
あたしがそんな思いをめぐらすと、たちまち卑弥呼様は、
「そうじゃ」
と応える。
「我が国は治安が良く、
「なるほど」
「ちなみに
「あ。その『とぅま国』って、どこですか?」
あたしはすかさず、ノートPCの画面を卑弥呼様に向ける。
「この辺りじゃの……」
と卑弥呼様は鹿児島付近を指差しつつ……その姿は次第に薄くなり、数秒で消滅した。
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