要するに『ぃやぅまとぅ』は、ここじゃよ
「そうかそうか。不便な時代じゃのう」
「そんな話はどうでもいいから、卑弥呼様、いろいろと教えてよ」
どう考えたって正真正銘のオカルト状況だが、こんなチャンスを逃しては勿体ない。
「やまたい……じゃなくて『ぃやぅまとぅ』の事は、現代ではほとんど謎の歴史になっちゃってるの」
「
「どこにあったのかも判らなくなって、学者の間では近畿地方にあったのか九州にあったのか、議論してる状態なんだよね」
「近畿じゃとか九州じゃとか言われても、ようわからんのだが……。要するに『ぃやぅまとぅ』本家は、ここじゃよ」
「え~っ!?」
ここ!? 本家!? どういうこと?
「
いきめ!?
あたしは大いに驚いてベッドから跳ね起き、PCの電源を入れる。OSが立ち上がるとブラウザーでWebマップを表示する。
「ここは宮崎県宮崎市だよ。あ、昔の呼び名だと『ちくしのひむか』(筑紫の日向)になるのかなあ」
「ようわからんのう……。おお、これが地図かい?」
「そう。ここが日本、いわゆる『倭国』ね。この辺が魏朝で、都は……」
あたしは即座に「魏朝」を検索する。そうかそうか、首都は「洛陽」か。――
ここが都だよ、とマップ上の「洛陽」を指差す。
「ほう、なるほどのう。されば『ぃやぅまとぅ』はここじゃ」
彼女はモニター上の一点を指差す。
間違いない。彼女が指し示す場所は、まさに宮崎市付近である。
驚愕の事実ではないか。あたしは大いに興奮してきた。
「ちなみに『いきめ』は、この辺り」
あたしはPCを操作して宮崎市のマップを拡げ、市内の
「地形が随分変化しておるようじゃの。多分その辺で間違いないと思うが」
と語る彼女の体が、次第に薄らいできて……ふっ、と消滅した。あたしは自室にて、ライムグリーンのパ○ツ姿のまましばらく呆然と立ちすくんだ。
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