「刹那」

刹那に思う、

このまま錆び付いても良いと……



境界線なんて、存在して無かったのさ

いつ時も遅かった、何もかも遅かった



記憶を確かに刻んでも、

それもまた膨大な量で



俺には、

もう成す術がないと……

俺には、

その記憶も総て葬ることしかできなかった



安息の地へ行けられたらな、

甘い考えが皿を埋め尽くす


そのドロリとした感覚、

甘ったるい思考の先へ、



呑み込まれずに、呑み込まれずに、



必死であった、何もかも

必死であった、何もかも



SOSのサインなんて、

俺にはできるはずが無い



その甘ったるい香りで、

頭がどうにかなりそうだ

吐き気がする、吐き気がする



誰しも選択肢は存在し、

きっと俺にもあるさと油断していたんだ

幻想に過ぎなかった



皿いっぱい、飲むほす

これで良いのかな、これで良いのかな



きっとこれで良いのだろう、



「気にもしませんとも」



そうさ、気にもしませんとも、

現実と夢の区別が付かなくなってきた



そうで良い、それで良いのだろう



堕ちれば楽になるさ、

そうさ、そのタイルから足を踏み外し



溺れてしまおう、溺れてしまおう

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【、曰く。】「 」 千代音(斑目炉ヰ) @zero-toiwaku

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