第4話 「始まりのダンジョン」
前回のおっさん
おっさん、疲れを取る。
おっさん、興奮する。
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あぁ……。体が軽い。
めっちゃ気持ち良かったー。
魔法のお店(スライム屋)を出てからずっと頭の中でその事を考えていた。
冒険に行って疲れたらまた行くとしよう。
今度は特別コースで!
僕は東エリアから出て南エリアに向かう。
これから北エリアに行き、始まりのダンジョンに入るのだが、その前に村人からクエストを受諾しておいた方が効率が良い。
「ここが南エリアかー……」
家が満遍なく広がっている。
「あの?すいません!冒険者の方ですよね?」
家の多さに呆気を取られている中、後ろから声をかけられる。
「はい!冒険者ですけど、何か用ですかね?」
「僕の妹が酷い病で、薬草が10、必要なんです!どうか始まりの
ダンジョンで取ってきてくれませんか?」
これが依頼ってやつか…
村人の目の前にカーソルが出現する。
──────依頼内容 妹の病を解消してくれ!────────
薬草を10個採取する。(始まりのダンジョン4層で入手可能)
報酬 10000ゴールド
1000経験値
回復ポーション(大)3個
────────────────────────────────────
ふーん。まぁまぁかな?
僕は受諾する。
「ありがとうございます!なるべく3日以内にお願いします!」
一度に受けられるクエストは1つまでだ。
これでやっと、始まりのダンジョンに行くことが出来る。
僕は住宅街を抜け、北エリアに向かう。
気にしていなかったが僕って何ゴールド持ってるんだ?
チュートリアル学んだ技術。コマンドを呼ぶ。
すると目の前にオプション画面が出現する。
お金 50ゴールド
……………………。
へ?お金無さすぎませんかね?
スライム屋で使いすぎたか…。
「さっさとクエストクリアしますかね!」
張り切る32歳は始まりのダンジョンまで、走り抜ける。
いつのまにか、北エリアに入っており、始まりのダンジョンが目の前にきている。
僕が知る限り、始まりのダンジョンでの最前線プレイヤーが到達した階層は19階層らしい。
僕が今から行くのは4階層。
5階層毎にBOSSが居るが、今回は戦わなくてすみそうだ。
「放してください!このチカン!」
「あぁん?何だとこら!黒レートだからって調子に乗ってると痛い目遭わせんぞ?」
何だ?少女に男性二人組が何やらこそこそやっている。
まぁ面倒事に巻き込まれるのはごめんだ。
「すいません!あそこで何やら冒険者同士がトラブってるので、行ってあげてください」
ダンジョンの前に居る警察官にトラブってる事を教える。
これで大丈夫だろう…
僕は始まりのダンジョンの入り口を通る。
「ここが始まりのダンジョン!」
中はとても広い。
一階層はダンジョンではなく武器屋や、僕がいたチュートリアル部屋、そして鑑定屋と言った施設が設置されている。
真ん中には二階層に降りる階段が掘られている。
ゴールドが無いので、武器屋には行かず、二階層に降りる。
二階層は壁に松明が取り付けられており、いかにもダンジョンって言う感じだ。
二階層は初心者の冒険者が大勢やって来るので、人が多いな。
二階は無視して三階に行くか…。
これだけ人が居れば、モンスターは狩り尽くされているだろう…
「3層に行く階段は?っと」
一階層から二階層に行くのは、誰でも分かるところに階段が置かれていたが、二階層からはダンジョン内の何処かにある。
まずは階段の位置を覚えないとな…
フィギュン!
何だ?
奥の方から変な声が聞こえる。
ドタドタドタ!
こちらに走ってくる?
あれは、何だ?
つのが二本ついており、右手にはこん棒、左手には盾を持っている緑色のモンスターが集団で走ってくる。
「これってヤバイんじゃ?」
僕は焦りながら右手に填めている指輪を外す。
すると何処からか力が沸いてくる。
確か、確か!
僕がチュートリアル中に確認した魔法…
「焼き払え!ファイヤーボール!」
モンスターに向けた右手から炎の玉が出てくる。
すると、モンスター達が魔法を察知したのか、
後ろに下がり始める。
ファイヤーボールの真骨頂!
「行け‼ファイヤーボール!」
右手の前に作られた炎の玉がモンスターの方向に飛んでいく。
前にいたはずのモンスターが灰となり消え去る。
「ふぅ…」
これほど、魔法を覚えて良かったと思ったことは一度もない。
ファイヤーボールを含む、魔法を覚えて無ければ、あのモンスターの下敷きになっていたかも知れない。
倒した事により、モンスター図鑑に今倒したモンスターが記録される。
────モンスター名 ゴブリン──────────────
始まりのダンジョン1階層~3階層に出現する。
群れで行動し冒険者を見つけたら全力で走ってくる。
ドロップアイテム ゴブリンの皮、ゴブリンの肉、レミルスの盾、こん棒、?、?、?
入手ゴールド 100ゴールド
入手経験値 80経験値
─────────────────────────────────
ドロップアイテムの所の?はレアドロップアイテムって事か…。
やっぱり、?って書いてあると何か気になってしまうが、その衝動をおさえて階段を探す。
それからは全くモンスターとは出くわさず、階段があるところまでこれた。
「この下が3階層…」
流石に3階層となれば、人の気配が少ない…
僕はゆっくりと階段を降りる。
レベル上げはチュートリアルのうちに! ─おっさんダンジョン物語─ ともや先生 @to3mo1ya8
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